NORADの特殊レーダーがサンタクロースの東京上陸を捉えた頃合いを見て、行動開始。娘は既に寝た。
部屋の隅の衣装ハンガーの上に潜めておいた紙袋の中から、ラッピング袋を取り出す。中身は娘が好みそうな音の出る玩具であり、半月ほど前に買い込んでおいたものだ。
昨年は娘もまだ授乳期であり、物心もまだなかったため、今年が実質最初のクリスマス。幸か不幸か私もサンタの代理デビューと相成った。

未だもって思いもよらないことだが、先日、北欧某国の観光大使たるサンタクロースを拝んだこともあり、今回の作業中も気は楽だ。
サンタがいるかいないかなどの話は一切気にせずに済むし、将来に渡って隠密行動をとる必要もない。
…
普段お転婆が過ぎる娘だけに、枕元に玩具ではなく炭を置こうかとも思い立ったが、それは後年にとっておくとしよう。

今夜も布団の上で豪快な寝返りを打っていた娘の枕元に、そっと袋を置いた。
所要時間、約1分。