滝登り(後編)

落差国内最高を誇る「称名の滝」を拝みにいくつもりが、どういうわけだか八郎坂なる登山道へ踏み込むことに。しかも、帰りのバスの最終便まで残り1時間強。間に合うんですかねぇ?

行っちゃえ。

ということで飛竜橋を渡り、左手の断崖絶壁へ突入。ちなみに本来の滝見台はすぐ近くにある。
八郎坂は文字通りの登山道。延々と写真の様な急坂が続いている。登山用品一式とまではいかないが、トレッキングに出かける位のスタイルは最低限必要でしょう(?)。ネクタイに革靴だとかハイヒールなんて論外。せめて特攻服ぐらいは用意していただきたいところ。


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途中で歩いて登り下りされるかたとすれ違いつつ、ひたすら急坂を登る。雨は降っていないが、霧の水分のおかげで岩場はほんのりしめっており、慎重に登る。
しめて20分程は登ったかという所に、仮設の滝見台はあった。工事用の足場を使った、文字通りの仮設であった。音はすれども姿はなし。そりゃそうだ。辺りは一面のガス。それなりに距離があったのか、滝からの飛沫らしき感触はない。
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残念でした、また今度ということで霧の中八郎坂を下りる。こういうところは登りよりも下りが恐ろしい。下りをなめてかかるといつぞやの小学生みたいに数百メートルを一気に滑落できまする。たまたま雪の上に落ちたから生還できたようなもんですな。
それはさておきゆっくりと岩場の急坂を下り、八郎坂入り口近くの橋がぼちぼち見えてきた頃。

漸く霧が少し晴れたらしく、称名の滝の4段目だけが顔を覗かせていた。
流石に八郎坂を再び登って仮設の滝見台まで戻るというのはきついのでまた今度ということにしておこう。つーか、来年遊歩道の復旧工事が終わってから見にくりゃいいだけの話か。
元来た遊歩道をバス乗り場まで戻ると程なく立山駅行きのバスが入ってきた。発車まで少々時間があったので運転手のおっちゃんと軽く話をしていたら昼過ぎに歩いて登ってきたところを見て驚いたという話をしていたが、運転手のおっちゃんがそれを覚えていたことに私も驚いた。(おしまい)
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[この日のおみやげ:熊王の清水]
古来より立山登山に訪れる方が喉の乾きを癒したとされる水で、立山駅から2km程の山中から湧き出た水を駅まで引いているとのこと。