滝登り(前編)

小生の地元富山には、落差約350mと国内最高を誇る「称名の滝」があり、嘗ての実家からだとお散歩感覚で見に行くことが可能となっている。
しかし日常生活の通りすがりに立ち寄っていけるような場所にはなく、その氣がないと拝むことはできない。私の記憶が確かならば、当地へは赴いたのは幼少の頃の一度のみだったはずだ。
ということで、某月吉日の夏の日の午後、根性出して行って参りました。
[image]


えーと、富山県内は極度の車社会故に滝まで車で行けないこともないんすけど、山道の運転は疲れるのでまずは最寄りの駅まで。富山痴呆鉄道の終点立山駅まで写真の様な断崖絶壁を跨ぎ飛び越え電車で登る。しめて30分少々。
そこから滝までは数キロほどあり、冬季を除いて滝の近くまでバスが出ているのだが、根性出して徒歩で行って参りました。
立山駅そばの橋を渡ると、あとはほぼ一本道なので、まず迷うことはありますまい。
当日、平地はそれなりに晴れてはいたものの、滝への道を進むにつれて、霧が深くなってきた。山のお天気をなめてはいけません。
途中何本か橋を渡ると、そこは中部山岳国立公園。周りの山には一定の高さに沿って雲が貼り付いており、道を進むにつれて雲に近づいてきた。
道に沿ってひたすら進むと、標高663mの桂台まで到着。滝と立山駅のほぼ中間地点にあたる。右側のゲートに入ると立山有料道路に沿って雲の上へ出られるかも。ただしバス専用の道路となっておりまする。ちなみに滝へ行くには左側。
[image]
さらに進むと駐車場と共に道路が行き止まりとなり、滝までは歩いて進むこととなる。表示上は30分だが、心なしか服が少々重くなってきた。霧の中へつっこんでいった為らしい。視界不良故、日がどの位傾いているのか、今どの辺りまできているのかが全くわからない。
そんなこんなで歩道も終点となり漸く滝の麓までやってきた。標高は830m位。滝は目の前かと思いきや…
今年の夏は滝見台(展望台)へは落石の復旧工事のため立ち入り不可となっており、滝を拝むには写真の飛竜橋を渡って「八郎坂」の途中にある仮設の滝見台まで登ることとなっていた。途中までとはいえ八郎坂に登るんですかい。
八郎坂っつーのは、入り口の案内板や記念碑によると大正の頃に開かれた立山への登山道の一つで、20年ほど前に有料道路ができてからも全行程歩いて立山へ登ろうという登山愛好家を中心に人の往来が絶えない。しかしここ30年で2度ほど雨による土砂崩れに遭っており、その険しさは推して知るべし。
[image]
午後一で出発してきたまではよかったが、ここまで歩いてくるのに1時間半ほどかかっており、時刻は4時過ぎとなっていた。しかも、道の途中にゲートが設けられているのだが、夜7時で閉鎖となっている。帰りのバスの最終便まで残り1時間強。間に合うんですかねぇ?(続く)