これは記憶の彼方より蘇った教養科目のノートの肥やしである。
[おしながき]
* 記憶にございませんのナゾ
* 記憶の動作に迫る
* 暗記のナゾ
* よりしっかりとした暗記のナゾ
* おまけ・スローモーションのナゾ
なお、私はその分野の専門家ではないため、以下の内容についての質問に的確な回答を返すことの出来る保証はどこにもないことを付け加えておかねばなるまい。以下はあくまで教養の範囲内、である。
(以下、ノートの肥やし)
《暗記のナゾ》
ヒントがあると記憶の再生率がよくなるという実験結果があるが、それななぜか? 人間の記憶システムは大きく3つに分けることができるという。
1. ほんの一瞬覚えている感覚記憶
2. 数分間覚えている短期記憶
3. 無制限に覚えていることも不可能ではない長期記憶
人間の記憶は最初のうちはすべて一瞬で忘れられる「感覚記憶」なのだが、特定の手順を踏んでいくと「短期記憶」や「長期記憶」に進化して保存時間も長くなっていくという。
ここで短期記憶へ話を戻すとしよう。短期記憶は作業記憶とも呼ばれ、当座の作業に必要な情報がこの方法で保存されることが多い。その主な特徴は
* 保存時間は数秒から数分の範囲内
* 何らかの符号化・暗号化がはかられている
* 記憶容量には限界がある
* 何らかの見出しと共に保存される
* 保存されている情報の役目が終われば記憶も消える
といったところで、身近な例を挙げると電話帳で番号を調べて電話をかける「作業」がある。殊に初対面の人に電話をかける際、番号を電話帳で調べて電話をかけた後、その電話番号を覚えている人はまあいないだろう。ケータイのアドレス帳もまた然り。
閑話休題
182510967101941
という数列をそのまま「数字の並び」として覚えていられる人を私は殆ど知らない。多くの人は洒落っ気や知恵を駆使し何らかの語呂合わせで覚えるのではないかと考えているのだがどうだろうか。
試しに3~4文字づつ区切っていくと
1825|1096|710|1941
となる。左から順に「デカブリストの乱」「十字軍遠征」「平城京完成」「第2次大戦の始まり」の年になります。こうすると、学生さんや歴史マニアには多少なりとも覚え易いスタイルにはなるだろうか。単なる数字の羅列ならすぐに忘れてしまうところを、歴史上のイベントにという暗号に置き換えることで数分は記憶できるだろうか。
短期記憶の動作で覚えていられるのは人類の経験上おおよそ5~9チャンクだそうだ。なお、1チャンク=情報の塊という意味で、上の例では1チャンク=歴史上のイベント1件にあたる。
先ほど出てきた数列の「チャンク」の数を見てみると、数字をそのまま覚えようとすると数列は「15チャンク」になります。一方語呂合わせを使うと「4チャンク」となる。チャンク数の少ない方が覚えやすいというのは経験上間違いないだろう。
なお、語呂合わせは、データのチャンク数を減らす「データの圧縮」作業といえる。しかしこの圧縮方法は個人差にも拠るがデータが完全に復元できる保証が今のところ見つかっていないのが難点であるのだが…
話がそれたのだが、纏めるとこの実験では一目見た数字の列という一瞬で忘れられる「感覚記憶」を、語呂合わせ等の方法でデータを圧縮することにより「短期記憶」へと変化させて数分は保存出来る状態にできる例を示している。