Double meaning

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以前から一度見てみたかった川崎のかなまら祭りの日となった。
川崎大師駅近くの若宮八幡宮で、毎年4月第1日曜日に行なわれるこのお祭り。金物の神様でもあり性神でもある「金魔羅様」に商売繁盛と子孫繁栄を願う祭りではあるが、何の因果か後者の意味合いが殊更に強調されているようだ。海外でもそれは同じなのか、”Utamaro-festival”の方が通りが良い。留学生もそのようだが。



花曇りの空の下一家揃って川崎に赴いたが、行きの京急大師線の社中からして異様な雰囲気が漂っている。通勤時並の混雑で駅の地下通路の身動きもままならず、迂回。万が一道に迷っても、海外からのお客人を目印にしておけばよいので道を教えるのも楽。
駅を出ると程なく会場が見えてきたが、早速目に入ってきたのは老若男女、洋の東西を問わず「金魔羅様」を象った飴を口にしている光景。物体の形状が形状故に、滑稽でもあり異様でもある。先制パンチとしては威力十分。
決して広くはない境内は既にかなりの人で埋まっており、ライブまで行われるなど、神事にしてはかなりの活況を呈している。かなりの荒ぶる神様がいるのかは定かではない。
露店も並んでいるが、酒が飛ぶように売れている。境内の客の大多数が何らかの酒を抱えており、中にはワインやウイスキー入りの大型ボトルを抱えた方も。
酒の祭りも行なわれるのかと見まごう程…境内の一角に酒合戦の碑があったことと、無関係とはいえまい。

程なく。付近の通りを練り歩いていた御輿行列が境内に戻ってくる頃あいとなった。俄に付近が騒がしくなってきた。それ以前から十分に騒がしかったが、最早手もつけられない…といった方が近い。さすがに救急車の通過時には行列も中断となったが。
幟と大扇子の先導に続いて金魔羅様を象った御輿が3台続けて到着。カメラの砲列も一斉に激しさを増す。それらは最後から2番目に出てくる「エリザベス御輿」に重点的に注がれていた。
が、エリザベス御輿が通り過ぎたら祭りも終わり、といった感触で人が離れていくのは少々残念。その御輿と担ぎ手を除けば、少々荒っぽいながらも至って普通の祭りに見えたのだが。
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その後荒ぶる神輿は境内でもなかなか静まらず、御魂抜きによりようやく静まった。