Ironical patisserie

東京ドームそばの特設会場でパティシエの8ヶ国対抗戦が行われ、ふとしたことから観覧の機会を得た。土日の2日間に渡って各国代表チームが菓子とデザートの出来を競う光景はさながら「料理の鉄人」。
…であったが、厨房周辺こそ世界ランクにふさわしい内容であったのとは対象的に、ステージと観客席は結構なお粗末様である。
まず観客席。万単位の入場料を取るイベントにしては少々中途半端な陣容であった。2割がチーム関係者、7割が大会のメインスポンサーでもあるスジャータ関係者、あとは同業者とフランスチームの応援団が少々といった図式。応援団が付いていたのはフランスチームだけで、かつ応援も空回り気味で盛り上がりに欠けた。第1回の悲しい性か。


今回のコンテストでは見栄えや味だけでなく手際の良さや作業効率も審査の対象となっていた…はよいが、それは厨房の中に閉じた話となってしまっていた。ステージや観客席の動線はおざなりである。ステージ脇の招待者指定席は座席指定が実質無かったこととなっており、日本チームや大会関係者の社交場兼控え室となっていた。バックヤードには収まりきらなかったとみえ、通路が関係者の立ち見で塞がれることも多々。業界紙関係者によるケータイの着信音も見事に鳴り響いていた。
座席配置もさることながら、導線配置もかなりのお粗末であった。ステージ中央の選手出入り口にはそれを塞ぐ形で表彰台が置かれ、閉会式の入場で多少混沌。
式典終了後は作品の一般公開となる予定だったが、報道関係者の取材撮影と大会関係者の記念撮影が入り乱れ、さらには一部招待者が一般公開まで待てないとばかりに閲覧通路に殺到し、身動きが取れない状態に陥っていた。結局の所、式典終了から招待者への公開開始までは所要1時間、一般指定席や自由席の観客へに開放されたのは更に後である。
撮影に関してもお粗末ぶりが目立った。報道関係者以外は撮影禁止ということになっていたが「厳禁ではなかった」ようで、報道席にも比較的簡単に関係者や観客がカメラを持って立ち入る事ができた。シャッターが所かまわず切られ、競技終了後の一般公開の時間も続いていた。見る者の大半が、一品一品、レストランのメニューを作る要領で撮影に耽っていたおかげで、1時間待ちで始まった一般公開も渋滞は遅々として進まない。牛歩戦術の方がまだ速いかもしれない。会場の外にも作品を公開するケースが設けられていたが、撮影による渋滞発生の仕組みは同様である。
それらが全てお見通しなのかまでは定かでないが、フランスチームが終盤の飴とチョコレートの飾り台…ピエスモンテにもってきたのは、今回の競技テーマ「エコロジー」への皮肉を込めた、と評されるデザインであった。どことなく、制作者本人をして大阪万博への皮肉を込めたと語る「太陽の塔」を思わせる外観に見えたのは気のせいだろうか。
…これらは土曜日のテレビ放映時までには適宜編集でカットされるが。