Hold a place

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春は花見、とばかりに桜並木はてんこ盛りである。それは国立の大学通りにも当てはまっており、通りの桜並木は山桜など一部にはこれからというものもあるが、ほぼ満開である。それで樹齢80年のものを筆頭に古参の桜が殆どというから大したものだ。
満開となるタイミングを見計らい、通りから一般の車を締め出して歩行者用に1車線を確保する位の人だかりである。桜の維持費集めも兼ねた団子屋以外には露店の類を設けていないこともあり、沿道の飲食店は昼食時間帯からティータイムにかけて、始終行列が伸びていた。通りの南端付近にある歩道橋は、カメラやケータイを掲げた方々で黒山となっていた。


とまあ、かなりの人を集める桜並木ではあるが、中には寄る年波等々により弱っている木々もあるのか所々で治療中の看板を見かける。治療の一環として、根元への立ち入り制限と肥料の確保と踏み固められた地面を耕すことを狙って、桜の根元に菜の花や「ムラサキハナナ」を植えるなんてことを地元の小学校で行っているようだ。桜の花の下に黄色と紫の花が広がるというのも、面白い光景である。
…が、花より団子より酒、とばかりに花見のための場所取りも行われており、ムラサキハナナを植えたので立ち入りはご遠慮願いたい趣旨で立てられた看板のすぐ近くにもビニールシートで場所取りである。付近一帯には膝丈ぐらいまで菜の花やムラサキハナナが伸びてはいるにもかかわらず、シートの周囲だけきれいになくなっているところを見ると、哀れ刈り取られてしまったとみえる。
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