Binder

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本日は最後の最後に残っていた黒米の刈り取りである。
通常、コシヒカリ等の「うるち米」と「餅米」といった、成分の全く異なる品種の刈り取りに入る前にはコンバインを分解清掃して臨むことになっている。黒米も、他の種類の米と異なりポリフェノールてんこ盛りのため、通常であればコンバインの分解清掃が必要となる。
しかし、水田の一角を使った試験的な栽培ということもあって、量はそれほど多くはない。これだけのためにコンバインを分解清掃して投入、というのはさすがにやってられないので「バインダー」の出番である。


1列つづ刈り取って、一定量刈り取ったところで自動で結束し、右手側に吐き出すだけの比較的シンプルなつくりだ。2~30年前には普通に使われていたという話だが、昨今は規模にかかわらず大半の農家がコンバインを使うようになっており、農機具屋でも扱っているかどうかというくらいの代物である。
エンジンや足回りや刈り取り部分はコンバインとほぼ同じ仕掛けだったが、結束部分の動きを完全に知っているのは農機具屋の大旦那くらいだった。
整備の済んだバインダーが現地に運び込まれた後、初めに農機具屋&親父殿で2周ほど試運転も兼ねて刈り取りを行い、そのあとで自分も動かしてみた。地面の凹凸にだけ気をつければ、あとは勝手に直進してくれる。この類の操作は今回が初めてだが、取り扱いは結構楽だ。
1周の間に刈り取りから結束、吐き出しの様子を見ていたが、特にこれといった電気的なセンサーの類はついていないものの1束の量は常に一定していた。束の太さによって結束部のクラッチが勝手に入る、といった具合で、何らかのカラクリが埋め込んであるようだ。
おそらくはシンプルなものだろうが、初めてみることもあって、興味深い機構である。僅か2束から、トラック1台てんこ盛りに育ってしまう黒米の生命力も十分に興味深いが。