偏波ダイバーシティ

いつの頃からか「偏波ダイバーシティ」が技術筋で登場するようになったが、「ダイバーシティ技術」の概要は「複数の異なった受信条件を用意し(複数のアンテナを用意したりとか)」「それぞれの条件で同一の信号を受信して」「最もよく受信された信号を通信に使う(通常最も強い信号を選ぶ)」という点である。
「偏波ダイバーシティ技術」は、受信条件を「電波の偏波面」を基準に設定するものである。このほかにも受信条件の設定方法によって…最も強い信号を受信するアンテナを選択する「空間ダイバーシティ」、最も強い信号を受信する周波数帯を選択する「周波数ダイバーシティ」 、マルチパスなどで時間差のついた信号の中から、最も強い信号を選択する「時間ダイバーシティ」…などがある。


信号の帯域幅(チャンネルの幅)が狭い場合、「ダイバーシティ技術」を使うと受信したときの信号の強度が安定する。しかし、アンテナのスペースが大きくなるという欠点もある。
さて、電波の偏波面・・・というのは、電波の振動する方向のことで、まっすぐ飛んでいる限りその向きは一定である。直進している電波は、互いに直交する方向に振動する2つの波からなっていて、「垂直偏波」と「水平偏波」として知られている。この図では、赤い波が水平偏波、青い波が垂直偏波である。それなりのアンテナを使えば、それぞれを別々に受信することもできる。
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「偏波ダイバーシティ」は、特定の偏波(たとえば垂直方向の偏波)だけを受信するようなアンテナが複数集まって、いろいろな方向の偏波を受信できるようにし、その中から最も強い信号をもつ「偏波」を選択する受信方法である。
この「偏波ダイバーシティ」技術を使ったアンテナは、都市部や山間部など、電波の乱反射が起こりやすい場所で使うと効果的である。このような場所では、電波を同じ位置で受信しても、偏波面によって信号の強さが大きく変化することがよくある。(郊外の平地のような、乱反射の少ない場所ではこんな凝った技術を使うまでもありまへん)
偏波ダイバーシティに限らず、ダイバーシティ受信は「フラットフェージング」に対して絶大な効果を発揮する。しかし、「周波数選択性フェージング」に対しては殆ど効果がない。どのアンテナを選んでも受信した信号の波形がひずんでいるからである。

Last Updated on 2012/05/27