送信側と受信側で使うPN符号

最近のCDMA通信システムでは、複数のPN符号を使い分けている。cdmaOneの場合では、
* Walsh符号:端末~基地局間のチャンネル識別用
* 長周期M系列符号:端末の識別&送信情報のスクランブル用
* 短周期M系列符号:基地局セクターの識別&送信情報のスクランブル用
の3つを目的に応じて組み合わせている。これらのPN符号は別途用意された制御用チャンネルを使って端末~基地局間でPN符号の種類を示し合わせてから、通信を始める。


それではPN符号がバレバレ…という心配はご無用。事前の示し合わせがごく短時間で終わってしまこと、スペクトル拡散をかける前の信号にもそれなりに暗号化を施していることと、スペクトル拡散をかけた電波は余程のことがない限り雑音にしか聞こえないのとで、「使っているPN系列がバレることはない」・・・と言われている。
cdmaOneのシステム上では、3種のPN符号を適当に組み合わせているが、長周期と短周期のPN符号は実質固定となっている。残りのWalsh符号を通信を行うたびに必要な分だけ割り当てる。
端末識別用の長周期M系列は周期が242-1と長い周期のものを64ビット毎の区間に区切り、各区間から一定の法則で1ビットづつ抜き取ってつなぎ合わせて使うことになっている。
基地局セクター識別用の短周期M系列は長さは32768となっており、セクター毎に固有のものを割り当てているが、TDMA/FDMA同様、一定以上基地局やセクターの距離をとって繰り返し使いまわしているようだ。
実際の移動体通信システムは、「制御用チャンネル」のほかにも多数のチャンネルが用意されており、 cdmaOneではWalsh符号を使って識別することになっている。主なものだけでも以下のようになっているが、実際にはそれぞれがかなり細かく分かれており、将来的な拡張も見越して所々に空きチャンネルも設けられている。
(基地局→端末:下り線)
* 「同期チャンネル」送受信のタイミング合わせに使う
* 「ページングチャンネル」位置情報、使用チャンネルの情報を送る
* 「トラフィックチャンネル」実際に音声などのデータが通る
(端末→基地局:上り線)
* 「アクセスチャンネル」基地局からの呼びかけ(位置情報・符号の種類など)の応答に使う
* 「トラフィックチャンネル」実際に音声などのデータが通る
これと似たようなことはW-CDMAでも行っており、拡散する役割の「スプレッディングコード」と情報の暗号化をする「スクランブリングコード」の2つを使っている。長さと種類はどちらもcdmaOneより長い、可変ものを使っているようだが、こちらはシステム自体がcdmaOneより後にできたこともあり「マッチドフィルタリング」などの手法を使ってPN符号の取り扱いを高速化している。

Last Updated on 2012/05/20