Milky Blue(前編)

10月23日夕方、寒空の下、キャンパスの南端にある喫茶の近くに男が数人。実はこの日、大学祭の前夜祭であり、まわりには既に多くの露店が出店をほぼ終え、一部営業を開始している店もある。
予定ではもう準備に取りかかっているはずなのだが、店を出すスペースとなる喫茶がまだ空いていないのだ。そこでは学会の懇親会がまだ行われている。お約束通り、押している。
準備段階からどたばた続きである。例えば、大学祭の実行委員にテントのレンタルを予約しておいたのだが、指定した時間に取りに来るように言っておきながら、いざテントを取りに行くと・・・・


「テントは全部貸し出しているので、ない」
だってさ。とってもステキな事態。以後実行委員は全員テニス禁止!!(笑)。なんちって。(最終的にテントは借りられたけどね)
どのくらい時間がたったろうか? ようやく懇親会が終わった。ようやく準備開始。喫茶の備品を片づけたり、机を並べ替えたり、機材を運び込んだりなど、着々と進む。一方では、お料理の仕込みも始まっていた。
カクテルバー”Milky Blue”。それが今回出店する店である。出すのは生協の学生スタッフ&愉快な仲間達・・・・ということにしておこう。
表のカウンターでは、酒類を中心にした飲み物の運び込みと、カウンター席の設置が行われている。といってもカウンター席はビールのケースと折り畳み椅子を「それらしく」飾り付けたものだが、照明を落としてみると、雰囲気がそれらしくなって見える。夜目遠目傘の内・・・・なわけないか。
同時に先ほどまで行われていた懇親会で出されていた料理の後かたづけも行われていた。数多くの料理が手つかずで残っている。食べるのも片づけの内と言わんばかりにむさぼり喰らふ者、約数名。
外では仮設厨房の設置が行われていた。表のカウンターの方にもコンロ・レンジなどがあるのだが、カウンターではシェーカーを振るのでそのスペースは使えない。てなわけで勝手口に直結する形でテントを張り、その中にコンロやレンジなどを運び込む。そこで揚げ物やスパ等を作って出す。
てなことをやっていたら結局2時間くらいかかってしまい、開店は10時頃までずれ込んでしまった。他の店ではお客がかなり盛り上がっている模様である。
いよいよ”Milky Blue”開店。外回りの営業部隊が一斉に飛び出していった。お客の方もぼちぼちながら増えてきた。と、そこへ・・・・
後輩達が現れた
裏の方でおつまみを作っていたんだけど、急遽表へ。まさかこ~んな格好して出るたぁ~ねぇ。(参考までに・・・)
1時間ほど後輩達はがぶがぶ飲んでがつがつ食べていって帰っていった。そして日付が変わる。
いよいよ本番(笑)
お客がどんどんやってくる。営業部隊&接客部隊、大車輪。カウンターも厨房もてんてこ舞い。・・・と思ったがそうでもない。それほど時間がたっていないのにもうまったりとした雰囲気。開店が遅かったからか、もう2軒目3軒目というお客が多いようだ。
そして朝になり、お客がいなくなった頃を見計らって初日の営業は終了した。売り上げは芳しくなかったようだ。やはり開店時間が遅れたのが致命傷。黒字になるのだろうかという不安を抱えながら、店員たちはしばしの眠りについた。
日が高く昇り、二日目の準備に入る。食材の準備をするのだが、まずは大量の冷凍パスタを解凍しなければならない。小分けしてあるのだが、量が半端じゃあない。加えてレンジで解凍しようとしても、外側だけしか解凍されない。中の方が固まったままなので、結局パスタはほぐれない。
あまりレンジにかけるとパサパサになってしまう。いや、自然解凍したものも含めてそうなっていた。試しにベーコンとタマネギを具にして試作品を作ってみたら、パサパサだった。冷凍したら水気が若干飛ぶ事をすっかり忘れていた。
で、水を少し足してみたら素人目にはゆでたてとほとんど変わらない一品ができあがった。試食の結果も良好である。
唐揚げやサラダの具を仕込んでいるうちに、もう4時近くになっている。2日目の戦闘がまもなく始まる。(つづく)
Rec/Mix:1998-11-13