Projectile X -HDMLから脱出せよ(3)-

11/23 試験の最終段階、端末別の固有機能のテストに入る。これまでPC用ブラウザとWAP2.0対応ブラウザのみで試験を行っていたが、J-SKY(旧Jフォン)固有機能のテストとして919(くいっく)シミュレータを導入。
ところがこれまでの試験で表示されていた入力フォーム画面が出てこない。・・・このサイトのシステムには「強制エージェント設定」なる機能が試験用に組み込まれており、設定を1行書き換えるだけで、「i-mode風」「WAP2.0風」などに画面を切り替えられるようになっている。しかし、本物でテストしないと確認できない機能も存在していた。


J-SKY固有機能は時折躓きながらも試験は進んでいった。が、i-modeに至ってはシミュレータ探しから躓いていた。オンラインで公開されているシミュレータの大半は、InternetExplorerのコンポーネントを流用しただけの、開発側から見れば紛い物であった。
11/25 道具探しの答えは意外な所にあった。「アクティブマスコット( http://mascot.desk.ne.jp/ )」というマスコットにi-modeブラウザ機能が組み込まれており、実機に搭載されているブラウザ「Compact Netfront」と遜色ない機能を備えていることが分かった。
早速配布元のサイトを覗いてみたのだが・・・見たことのない雰囲気に一瞬たじろぐ。しかし見かけによらず機能は本格的であり、テスト用には十二分であった。
12/01 設定した期限は近づいていた。最後迄残っていたメモ帳スクリプトの制作に着手。12/03には「MAX Whitewing」全コーナーが試運転可能となった。残る期間は、実際に投入するバージョンの制作につぎ込まれることとなる。
12/09 最終試験に入った。PCと全てのケータイシミュレータをフル稼働させ、考え得る動作を一つ一つ確認してゆく。
そんな中、最大の問題が発生した。HDML変換サーバーを経由したときのみ、日記帳型CGIで記事の書き込みができなくなっている。書き込みをしようとすると、書き込み内容を全く無視してブラウザにキャッシュされたページの表示を行ってしまうという動作だった。他のブラウザでは問題なくできる動作が変換サーバー経由の時だけできない。
他のCGIはもちろん、日記帳型CGIのパスワード入力等他の入力は受け付けているにもかかわらず。
Openwaveで提供しているxHTML→HDMLのソース変換サービスの出力結果及びブラウザの挙動とのにらみ合いが暫く続いた。しかし、原因となるものはなかなか見つからない。
12/16 閃きは突如訪れた。
一時的にブラウザのキャッシュを無効にするのはどうか・・・・
早速、試作品に問題解決のためのからくりを埋め込み試験を行う。変換サーバー経由以外で動作させてみた場合はこれまでと変わらぬ動作をしていた。そして、問題のパターンを試す・・・・。
書き込みは、成功した。
しかし残された時間は後僅か。PC向け、ケータイ向けそれぞれの画面レイアウトの作りこみが急ピッチですすめられた。
12/27 テストの最終段階として、コンテンツをそのままに、CGIシステムのみを入れ替える作業の準備が慌ただしく行われている。年内にシステム入れ替えを終える最後のチャンスは、翌日にまで迫っていた。
12/28 ついにこの日を迎えた。システム総入れ替え決行日。個人所有のホームページとはいえ、長時間の停止が許される理由にはならない。作業を迅速に進めるため、CGIのスクリプトをサーバーへ転送すると同時に起動できるように、転送ツールに細工が施されていた。
20:00 入れ替え作業が始まった。転送は10分程度で終了し、すぐさま動作確認に入る。
10分後、動作確認は終了した。
かくして、全面CGIから構成されるサイトの基幹システムをそっくり入れ替え、かつ従来型の機種との互換性を保ったままHDMLを外すという荒技が達成された。
こうして出来上がったのがWAP2.0対応の3つのCGIスクリプト(mbbs RS1x/mdiary RS2x/mfile RS-3x)である。
終わりに付いている「x」には、次世代HTMLの「xHTML」、拡張という意味で「extention/expansion」、異端極端といった意味合いで「extreme」といった意味が掛けられている。
しかし、今回最も重要だった点は、CGIをそっくり入れ替えたにも関わらず、コンテンツには殆ど手を加えていなかった、という点だったのかもしれない。