Find a bell

新規投入した電動アシスト自転車のハンドル手元の異変に気付いたのは、さきの週末の試運転の折だった。
始動前に診ておくべきだった。ベルは見えているか?

ハンドルにはモーターの制御パネルやハンドル自体の固定レバー、シフト等が子供用座席の隙間を縫うように配置されており、かなり賑やか。走行にあたっては取り急ぎ従来型の自転車と取り回しが異なっているライトとシフトとモーター回りに注意していたため、肝心なベルの存在にまで目がいっていなかった。


いかにもベル、とわかる形状の物体が見当たらないことに気がついたのは子供の特攻をかわした後。迂闊にも程がある。

帰宅後、押し入れの道具箱から自転車のベルを掘り出す。
昔乗っていた自転車に取り付けるべく購入した代物が、中古品の遣り繰り等の紆余曲折を経て、新品同様状態でお蔵入りとなっていた物だ。
自転車本体の適当な取付場所を探していたところ、更なる落とし穴が待ち受けていた。
ベルは形を変えてハンドルの左手グリップに埋め込まれていた。捻れば鳴る。仕組みは単純だが、こんなベルは今までに見たことがない。
しかし、ベルはいつでもそこにある、のだ。
かくして予備パーツのベルはまだ出場機会を得ていない。
折り畳み自転車のベルが簡単に壊れそうな構造をしているので、そちらにでも付けておくか…