Catch the last train

御用納め当日。ひとまず当年のお仕事を終え、納会でビールをいただいて荷物を抱えて帰途につく。
異変は始発から程ない途中駅で起こった。
白のジャージの男が窓を叩きながら車中に入ってきた。何があったかは不明だが、車内に入ってからも扉を叩き窓を蹴るなどそこそこ混んでいた車中は俄に空気が張り詰める。
次の駅に着くとその男は降りて雑踏に紛れたかと思いきや、駅隣のトンネルから警笛が数発。直後に反対方向から列車が滑りこんできた。


これが飛び込みかと思わせる事象であったが、その後にもまた警笛。さらに続けて男の叫び声がトンネルとは反対の方向から数回。
待つこと数分。車中トラブルとの案内と共に列車は再び走り出した。まだ夕暮れ時の筈だが、その間も目の前には立ったまま居眠りを堪えている方々で覆いらしきものが出来ている。車中のノリはいつもの終電風。