Wheelchair

朝の電車の話。
ドア付近がやけに空いているかと思えば、電動車椅子が鎮座していた。まあ、2,3人位ならば乗り込める隙間はあった。
そこから一駅、車椅子のパイロットが何やら呟いているように聞こえる。
なんでしゃべれないんだよぅ…
続いてパイロットの右手が隣の女子生徒らしき方へ向かう。おいおい…
かばんじゃまだよぅ…
必死に絞り出すような声は、そう聞こえた。そういうことか。
右隣の女子生徒の鞄が電動車椅子の操作卓を塞ぐ形になっており、このままでは操作もままならない。意外なところに障害があった。


程なく、パイロットは器用な操縦で駅ホームに用意されたスロープ伝いに電車を降りた。
自戒。