拡散符号に期待される性質

CDMAを使ったシステムでは、拡散に使う拡散符号とその「相関値・相関関数」が重要な鍵となってくる。
使用する符号には次のような性質を持つとよいとされいる。
1. 異なるユーザーが使っている符号系間の相互相関関数の値が常に0に近い。
2. 自分の使っている符号系の自己相関関数の値が「周期的なインパルス関数」っぽい形になる。
3. 容易に生成できる
4. 0と1がほぼ同率で現れる
5. 拡散符号の自己相関を得るのに比較的長時間を要する


6. 符号系の自己相関関数は周期的である
7. 短い観測時間では、拡散符号の再生・解読が困難である。
このうち、最初の2つは特に重要である。
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DS-CDMA方式では、ユーザーを分離する唯一ともいえる鍵が「拡散符号」である。異なる拡散符号系の相互相関値が高くなると、誤って他のユーザーの信号も同時にに復調されてしまうおそれがある。また、CDMA・もといスペクトル拡散方式の通信では、送り手と受け手の拡散・逆拡散に使う拡散符号が「値・位相ともにそろっている」ときのみ復調(逆拡散)できるようになっている。というわけで、逆拡散を始める前に「同期捕捉」という動作をする。自己相関関数が周期的なインパルス関数に近い形をしていると、自分の拡散符号を見つけやすくなる。