同期捕捉

CDMA方式ならではの拡散変調を行った信号は、周波数帯域が広く、かつ弱い信号になっている。ここから送られてきた信号を取り出すには、逆拡散する際に「拡散したときに使ったものと同じPN符号を」「拡散したときと同じタイミング」で掛け合わせることが常に必要になる。符号の種類は、制御用のチャンネルが使って事前に合わせておけばよい。残るはタイミング合わせのみ。これを「同期捕捉」という。
代表的なものには「シリアルサーチ法」「マッチドフィルタリング法」の2つがある。


まず、シリアルサーチ法は、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」式に受信側のPN符号を適当なタイミングで作り、タイミングを少しずつずらしながら受信を試みる方法だ。
[image]
手順は以下の通り。
1. とりあえず適当なタイミングでPN符号を発生させる
2. とりあえず逆拡散を試みる
3. とりあえず復調してみる
4. 復調した信号をローパスフィルタに通す
5. タイミングが合っていれば、一定レベルの振幅の信号が現れるので同期捕捉完了
6. 外れていれば、低いレベルの信号とノイズしか出てこないので、PN符号の発生タイミングをずらして最初からやり直し
シリアルサーチ法は比較的簡単な回路でできるが、問題点もある。
まず、符号の発生タイミング。本来ならばPN符号の発生タイミングの調整は1チップごとでよいが、実際にはチップごとの同期がとれているとは限らないためタイミングの調整は1チップよりも短い間隔で行う必要がある。また、タイミングが合っているかを見る際、1つのパターンにつきPN符号1周期分の時間がかかる。最悪の場合、PN符号1周期分の時間の exp(2,k)-1倍の時間がかかる。
また、雑音の影響によっては1周期分調べただけではうまく同期捕捉できるとも限らない。一度探し出したタイミングが正しいかを確認する必要がある。 検出中に違う信号が混ざるようなことになると、検出する同期捕捉のタイミングを誤ることもある。
cdmaOneの同期捕捉は、このシリアルサーチ法を用いているが、予めGPSを使って基地局及び端末の間のPN符号発生タイミングを予め合わせておく(チップごとの同期をあらかじめ取っておく)方法で、同期捕捉にかかる時間を大幅に短縮している。W-CDMAではGPSで時間を合わせなくても済むように、高速で同期捕捉ができる「マッチドフィルタリング」を行っている。

Last Updated on 2012/05/27