Shatter the disc

部屋には、20枚以上のCD-Rが眠っている。学生時代にデータのバックアップと称していろいろなものを半年に1回のペースで焼いてきた、その慣れの果てだ。中身といえば、サイトの定期的なバックアップコピーやアクセスログ、NetscapeやIEの旧バージョン等の拾ってきたアプリに、発表原稿等々。そろそろ中身を覚えておくのも面倒になってきた。いや、中身にかなりの重複があるのはわかっていたので、大掃除を実行することにした。
当時…学生時代は、Mac(68k)とWindows間のデータの行き来が多かったが、一部の図…クラリスワークス等のMac由来のツールで作ったものを除けば大半がWeb/テキストベースだったこともあり、中身の確認はすんなり完了。


一旦十数枚のCD-Rの中身を全てノートにコピーし、焼いた日付別に並べて整頓開始。Mac用の懐かしいお遊びアプリ等の使わなさそうなものや、重複しているものを分離もしくは消去していくと、8枚のディスクから、CD-R1枚半に相当する分が残った。ここから、後で別のCDに焼けそうなアプリを除いた分をCD-RWに保存して中身を確認し、今日の作業は終了。まだ半分残ってはいるが。
さて、ここで残ったのは役目を終えたCD-R。機密書類など有るはずもないのでそのまま不燃物に出しても構わないのだが、どこで情報が漏れているかもわからないこのご時世、消すなら徹底的にしておく癖をつけておきたい。
CD-Rだが、中のデータはプラスチック板には記録されていない。あれはただの板だ。肝心のデータは印刷されたラベルとプラスチック板の間にある「インクの層」に記録されている。要は、そこを叩けばよい。聞いた話だが、CD-Rを完全に消し去るための「記録喪失」という製品が存在し、さきの「インクの層」を特殊なカッターで細かく切裂くことでデータを消去するという。しかし、たかだか10枚程度のCD-Rの廃棄にそんな機材は使えない。
そこで、今回はプラスチック板ごと壊してみることにした。
破片が飛散らないように不燃物用ゴミ袋を用意し、その中でラベルの面を外に向けてひと思いに曲げてみる。
しかし敵も然る者というか、なかなか丈夫らしく、ワッフル状に折れ曲ってもなかなか割れない…かと思いきや、曲げて10秒程後、不意に弾け飛んだ。2つに割れたのではない。プラスチック版と、剥がれたラベルが、紙吹雪よろしく袋の中で舞う。敢て弾け飛んだ、としておこう。音といい、粉々になった破片といい、軽い爆発にも似た感触がする。
メーカー毎に板の固さがかなり異なっているらしく、適度な力の加減は必要になる。適当な安全策を講じた上でやってみるとよい。
さて、肝心な、データの記録されたインクの層はどうなったのか。
破片をいくつか拾い上げてみると、データが記録されていた青いインクの層と思しきところに、擦れたような跡がある。今回割ったCD-Rは薄いアルミ箔状のラベルだったが、折曲げた際にラベルの面が引張られたらしい。数枚続けて割ってみると、折曲げた際に折れ目付近のラベルの面が網目状に裂けていくのが見えた。これなら大丈夫だろう。
情報のコピーは簡単だが、破壊は容易ではない。メディアをリサイクルできればよいのだが。