Thrown

帰ってみると、玄関に不在連絡票が溜まっていた。
土曜の午後に配達した荷物をまだ預かっているという。丁度家を空けたのと入れ替わりに届いたようだ。実家からなので、多分米だろう。チョコレート…ということはあるまい。酒なら歓迎するのだが。
かつて、宅急便の仕分けの深夜アルバイトを経験した男の話では、この時期の「チョコレート」は日頃の恨み辛みやストレスをこめて放り投げつつ取り扱うのが正解、という。数が多い上にやたらとかさばるため、割に合わないとかで。


そうでいない方々もいるのだろうが、あなたのチョコレートは無事だったろうか。
チョコレートが、高尾山辺りでも産出される鉱物だとしたら、多少は夢のある話もあるかもしれないのだが、込めたハートが適当だろうが過分だろうがチョコレートはチョコレート。