長期戦

12月始め、長野市内某皮膚科。
診察室に入り、右足親指の絆創膏をはがす。どうやらできものはほとんどとれてしまったらしく、しばらく薬を使うのをやめてしばらく様子をみることになった。
いや~、長かった。2ヶ月近くにもわたる長期戦もいよいよ大詰めである。
10月頭、走っているときなど、右足親指に妙な感触を感知。靴の中に小石が入ったのと似た感触である。風呂前に見てみると、いぼといかたこというか、はたまた魚の目というか、そんなものができていた。直径5mmくらいのものが2つと、2mmくらいのものが1つ。


最初はかさぶたの類かと思い、しばらく様子をみていたが、4~5日おきに(風呂にはいるとはがれやすい)はがれてはまた元に戻るの繰り返しであった。皮膚科へ直行。
で、診断結果だが、傷口にウイルスの類がはいりこんで寄生し、それできたいぼ、とのことである。ほっといても治らないが、確実な治し方は2通りあるとのこと。
A.いぼをいっきに根っこから切り取る
B.薬を使って少しづつ削り取る
いくらか聞いた結果、薬で少しづつ削り取るほうにした。なぜか?
薬で削り取る方は最低でも1ヶ月以上かかるのに対し、一気に切り取る方法だと1週間少々で皮膚が再生し、終わってしまうらしい。が、皮膚を根元から切り取るため、再生するまでの間お風呂には入れない。シャワーは一応可能だが、水をかけてはいかんらしい。風呂好きの私にとってこれは痛い(??)。一方、少しづつ削り取る方は、毎日風呂に入っても大丈夫。
というわけである。こうして長期戦が始まった。
毎晩、風呂上がりにスピール膏(注)を貼り、一晩おいて皮膚が白くふやけてはがれてきたらそれをむき取り・・・を繰り返し、週に1回液体窒素を消毒薬の要領でちょこっとつけてもらってウイルスの動きを止める、といったことを繰り返しである。うまくいけば皮膚の新陳代謝でウイルスが表面に押し出されてくるらしい。
注:スピール膏は、サリチル酸っつー薬剤を含んだ絆創膏だが、サリチル酸には皮膚の角質を柔らかくほぐすという働きがあるらしい。
途中、皮膚を勢いよくむきすぎて皮膚の下まで見えてしまい、失神バタンQということもあったが、少しづつむいていく内に確実にいぼのもとはとれてきていた。固いものがあるような感触も、少しづつ消えている。
そんなことを1ヶ月続けてきたが、ある時を境にして皮膚がむきにくくなってきた。どうやら限界が近づいているらしい。しかしかなり根っこは深いらしく、ウイルスが若干残っていて、それらしき跡がよ~く見えた。
ということで新しい薬を投入することになる。スピール膏に加えて塗り薬をつけることになったのだが、なんでも皮膚癌を皮膚ごととかして崩してしまうくらいの強烈な代物らしい。健康保険はききまそん。
で、その薬を朝晩スピール膏を貼る前にほんのちょい(ボールペンのペン先にある玉くらい)塗って・・・てなことを繰り返す。この薬を使い出してから、なにやら膿らしきものが出てくるようになった。強烈・・・。医者の話では、薬で溶けた皮膚とのことである。
これを繰り返すことやく2週間。一通り皮膚もむけきってしまい、薬を付けたところが全体的に擦り傷っぽい感じになってきた頃、ようやくいぼらしき跡が消えた。冒頭の通りである。例の薬はかなり強烈だったらしく、塗ったところの回りも少し溶けていた。
しかし安心はまだできない。
すべてがわかるのは皮膚が再生してから
なのだ。
皮膚が元に戻るまでどれだけかかるかな~?
Rec:2000-12-09/Mix:2000-12-10