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嫁を見舞いに来たお袋は東京駅から帰りの新幹線に乗っていった。
昼一の出発は存外に早い気もしたが、夏の混雑で切符を取るのも一苦労、では致し方あるまい。

朝から洗濯ものの片付けおよび、弁当のおかずの仕込みをそそくさと済ませて駅に移動し、エキナカでお土産を調達しつつ早めの昼飯。しかしこういうときでもそれなりの贅沢をしていこうというのだからちゃっかりしている。
今回のエキナカ食堂は、実家近辺では東京駅構内の代表格としてよく紹介されているという。お袋にとっては願ったりのハヤシライスだったようだ。

さて、この後に控える血の売り込みと、病院立ち寄りまでには少々時間がある。早めに献血および付帯する検査の類を終わらせておくにしても、1時間少々の余裕。
たまには、エキナカのお散歩…と思い立って程なく、書店に積まれていた本に目が留まる。最近その存在の証明に大きな進展があったという「神の粒子」を解説する本だ。

普段滅多なことでは本を買ったり読んだりはしないが、今回は何かにくすぐられたらしく、エキナカで1時間の休憩の間に斜め読み。暫くの間、好奇心をそれなりに満たしてくれそうだ。