リセット

ぬる~い風呂にゆっくりつかっていると、気分がいい。けど、適当な頃合をみてあがんないと、風邪をひく。ひっかかった回数、数知れず。
一度ぬるま湯のここちよさを知ると、なかなかやめられない。ぬるま湯に限らず、温かい(暖かい)ものに人の心は弱いようだ、結構。
オイラもやられた。ぬくもりを思いだしては悶々、そんなときもあった(おいおい)。
わすれたくない、いつまでもひたっていたい、などと思っていてもそうはいかない。始まりのあるものには必ず終わりがある。長い間変わらないものなどめったに出てこない。「永遠」を信じたくなるのは、そのためなんだろうか?


人間の記憶というものは面白いもので、「大きな意味がある」と判断されたものほど長期間保存されやすい。その容量も天井知らずという。
永遠に続いてほしいもの‥‥‥‥、それは出来事としてははかなく消えていくものかもしれないが、記憶の中には大ざっぱながらも長期間留まりやすい。
しかし‥‥‥
状況が変わり、忘れたいとき、忘れなければならないときが来る。そんなときにはかなく消えていったはずのものがよぎる。どれもこれも、簡単に消えてなくなるわけじゃないからやっかいだ。
「あの日のぬくもり」を消せずに崩れさったのでは、ちょっとせつなすぎやしませんかい?ほんの一時だけでもそーいったのをふっ切らないことには、なかなか前へ進めないのでは。
勇気のないところには新たなる出会いもない。やはり、決断を下すことにはなにやら恐ろしいムードがつきまとう。大バクチにも似たような。
一度リセットしてしまうと、元へは戻れない。しかし、その分身軽になれる。得るものも大きくなる。
いつまでも変わらないように見えるものでも、今までに新陳代謝のようなことを繰り返しながらここまで来たんじゃあないだろうか? 始まりがあり、終わりがあり、いろんなものがそういったことを繰り返してきて現在がある・・・・ような気がする。
朝日を見ると、何故かすがすがしい。新しく出て来たものを見ると、そんな気がする。
いいことづくめとはいかないものの、区切りだとか再スタートといったものはあったほうがいいかもしれない。
しかし・・・、リセットするには惜しい記憶もある。 迷っている時間はあるのだろうか?
Rec/Mix:1997-10-1