Que sera sera(cont.)

実家の年寄りにお迎えがきてから一夜が明けた。
不寝番は最近夜勤続きの妹および床か変わったためかあまりよく眠れなかった嫁が丑三つ時を引き受けてくれたこともあり、滞りなく進んだ。
早朝、嫁と入れ替わりで仏間に行ってみると、伯父が熟睡中。親父殿と伯母と伯母も休憩中の様子。お約束とはいえ、不寝番は体力に響く。
そのまま丑三つ時の面倒を見ていただいた皆様が起きるまで、不寝番に入る。

お昼前、皆様が一通り仮眠から目覚めたところで一旦帰京。


事前の見立てでは年寄りはまだ週の単位で生きながらえることになっていたこともあり、持ってきていた着替えが全然足りない。礼服の類はもちろん東京に置いてきたままだ。
礼服の類はレンタル等で凌ぐという手もあり、今回の帰省には持ち運びの出来る小型のチャイルドシートを持参してきていたため、実家近辺での車での移動もでき、そのまま実家に逗留するのも不可能ではない。が、幸か不幸か納棺以降の日程が翌日以降になったため一旦東京に戻って一式を準備できる余裕ができた。多少体力を使うが、車に諸々を積み込んで実家入りしておけば、当地での行動が非常にやりやすい。
思い立ったが何とやら、とばかりに富山駅で指定券の乗車変更をかけ、ホームに滑り込んできたばかりのはくたかに飛び乗る。当初予約しておいたものよりも早い時間帯列車が空いていたため、到着が繰り上がった分東京での行動に余裕が出来たのはもっけの幸い。駅弁の類を事前に仕入れる手間もない程の駆け込みペースだったことと、乗ったら乗ったで車内販売が団体客への弁当配布によりてんてこ舞いになっていたこともあり、食料にありつけるかどうかが怪しい状況だが、厳密に行けばこういう折には生臭物は避けるべしということになっているのでむしろ望ましいのかもしれない。
帰京したら早速礼服一式を出すのは勿論、他にも準備がありそうな気がするが、パッとは浮かんでこない。
どうしたものか。
とりあえず、コーヒーでも飲んで考えよう……
娘のお昼寝ついでに車中で休息を取ってからでも遅くはあるまい。