Cabbege

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嫁の実家の親戚筋からキャベツを一玉いただいた。しかも、かなり出来のいいものらしく、軸に近い部分の葉が、甘い。青物高騰の折にはありがたい話だ。
こういうキャベツを味わうには、シンプルにせんキャベツにしてしまうのが最もよい…と思い立ち、包丁とまな板を出す。お勝手には細かいせんキャベツができるカッターもあるが、その時点ではそんな便利なツールの事はすっかり忘れていた。


丁度良い練習にはなった。

小振りのボール一杯になったところで皿の縁に唐揚げを並べ、中央にせんキャベツを山と盛る。これだけ大量のせんキャベツが消化できるのか嫁は訝しげだったが、結果として用意した全量が成仏。キャベツ自体が美味しかったからに違いない。

学生時代、バイト先の食堂の店長が包丁でせんキャベツを作っているところを一度だけ見たことがある。かなり使い込まれて細身になった長い包丁をかなり軽快なリズムで刻んでいたが、ものの1分でキャベツ半玉がせんキャベツに化けた。しかも、普段仕込みで使っている機械よりもキメが細かく柔らかかったのは今でも覚えている。
私にはそこまではできないが。