永遠へのパスポート(長野・前編)

結婚というイベントはどこかで一度に集中して続く物らしい。先日川口であったと思えば次は長野だ。招待状は、比較的堅めの、親御さんと夫婦の連名もの。会場は駅から歩いてすぐのホテルという。
今度の組み合わせは、旦那が富山で嫁さんが松本。学生時代は共に長野市内だったという。それで長野市内の会場か。納得。
しかし、富山の挙式は名古屋や福井程ではないもののかなり派手という記憶がある。どうなることか、見物だ。
[挙式]


挙式は古式ゆかしい神前式。三三九度スタイルは種子島で見て以来だが、雰囲気としてはしっくりくるものがある。近年はチャペルか人前式が多く、神前式は珍しいという話だが。
旦那は結構カミカミ屋の筈なのだが、誓詞奉読は意外な程スムーズ。あ、1回かんだ。
指輪交換は、パッと見では順調なようだが、どうも嫁さんの指輪が途中までしか入っていないような気がする。ひょっとして旦那の指輪の方が細いとか、それはあるまい。
[控え室]
挙式の前にも、新郎側新婦側別々に控え室が用意されていたが、披露宴までの間の控え室は一緒になっていた。
部屋の中央に挙式を終えたばかりの夫婦が陣取り、挨拶を受ける。
…と、そこへ何かを抱えた方が二人。電報のようだ。披露宴で読み上げる電報の確認。こうやって詰めておくのか。
[入場]
会場入り口で親御さんと夫婦によるお出迎え。金屏風の前に並んでいる。新郎新婦は紋付袴と白の打ち掛け…挙式からの通しらしい…と思いきや、披露宴の入場のときには嫁さんの打ち掛けが替わっている。いつの間に替えたんだろうか?
いや、ここはBGMに合わせて「なんということでしょう(by サザエさんの声)」としたほうがいいのだろうか。
ホテルの方と思しき方の誘導で、新郎新婦が各席を回る形で会場に入った。
[紹介]
司会の案内で、夫婦が互いを紹介する。カンペを見てはいたが、「ずくなし(面倒くさがり)」「せわしない(落ち着きがない)」といった、お国言葉が織り交ぜられており、それぞれの親族席を中心に軽い笑い。
けど、嫁さん…「これで、紹介を終わります」…ていうじゃな~い…。「終わる」って忌み言葉ですから。残念!
始めが大事 斬り!
[スピーチ]
都合5人/組。
まずは旦那の上司殿。本人の紹介も交えて、ちょっとネタも集めていたらしい。お風呂で男前…って何だろう。湯上がり美人とはよく言うが、それは女性の話。きっちり五分程度にまとまっていいて、簡潔ながらわかりやすい。お手本にさせて頂きます。
続いて嫁さんの仕事場の校長先生…旦那さんの名前お約束通り間違える。正しく読める方がいない名前とはいうが、これは拙いでしょう。先程の上司殿の話に比べると、倍近く長く感じたが、やっぱり校長先生の話は長く聞こえるものなのだろうか。学校はとうの昔に卒業したはずなのだが。
続いて、夫婦の共通の知人殿…むしろキューピット役と言った方がよいかもしれない…の発声で乾杯。スパークリングワインだった。この方の話に限らず、目立ったのは「まじめ」というキーワード。…確かに旦那の顔が硬いかも。
まずは嫁さんの中学時代の恩師。嫁さん、中学時代から英訳のバイトやってたとは。たいしたものだ。
最後は旦那の同期二人組だが…もそっと大きい声で出さないといけません。あまり聞こえてなかったのか、親族テーブルは宴会モードに入りかけ。初スピーチとのことで、お疲れ様です。
スピーチの中で、席札の代わりに置いてあった酒のボトルは旦那のセレクトだろうというくだりがあったが、実際その通りだったという。
[ケーキ入刀]
かなり平たいケーキだが、このタイプは後で取り分けてもらえるらしい。会場の後ろの方に、バイキング用とでも言うのだろうか、空の大きな金属容器が置いてある。
で、入刀なのだが、ナイフは入れたまま静止。絶好の撮影ポイントですから。和装でのケーキ入刀…どうだろうか。こういうのは洋装で、というのは単なる思いこみか。
なにげに隣で進行係と思しき方が旗を振っていた。F1あたりのスタートを連想させる合図の仕方だった。その合図に合わせて照明とBGMが切り替わった。
[電報紹介]
司会の前にプーさんやドラえもんが並んでいた。結構届いていたらしく、後半でも若干読み上げるという。
中に一つ、種子島から万歳三唱をする内容の電報があった。味なことをしてくれるもんだ。
その後暫く歓談タイムだったが、お約束というか、旦那は入れ替わり立ち替わりで酒を注がれていた。ビールに燗にワインに… ひっきりなし。大丈夫だろうか。経験者の話では、高砂席の影にバケツが仕込んであり、そこへ飲みきれない分を逃がすという話だが、披露宴はまだ始まったばかり。
(つづく)