長崎ぷらぷら節(2)~長崎は今日も雨だった~

半日の間列車に揺られ、ようやく長崎に着いた。が、小雨混じり。小倉のあたりよりは弱いが傘はいりそう。ゆっくりと昼飯を食べながら様子を見ていたが、やむ気配なし。この日回ってみようかと予定していたところはほとんどが屋外。てーことで、急遽予定を変更し、修学旅行では必ずといって組み込まれる原爆関連施設を回ることにした。
小雨混じりの坂の街を歩き、爆風を受けながらも今もしっかり立っている片足鳥居(ぢつは下の方にもう1つ原爆をくぐり抜け、しかも両足で立っている鳥居があったんだが、交通事故で吹っ飛ばされたらしい)に立ち寄った後、資料館へ向かう。


資料館は地下にあった。その昔、広島の資料館の方へは行ったことがあったんだが、そこにもあったような資料が多数あった。どういうものがあったかは、現物を見ていただくことにしておこう。さて、中にはつい最近発見されたものもいくらかあり、街の中でちょいと地面を掘ると遺品が出てくることがあるとか。資料館の隣で、別館らしき建物の工事をしていたが、そこから発見された遺品も展示されていた。
溶けたジュースの瓶など、一部のものにはさわることもできた。広島にはそんなものなかった・・・が、それは10年ばっか前の話なので、現在はどうなっているか不明。ひょっとしたら定期的に展示の模様替えをしているかな?
人もまばらな展示館を後にし、浦上天主堂の柱(当時の場所から移築されてはいるものの本物らしい)が立っている爆心地跡や平和公園(実は刑務所跡)へ寄っていくと、いい加減日も傾き、雨が止んでいた・・・と思ったらまた雨らしき感触。
ところがそれは風のいたずらで、水しぶきの出所は、噴水だった。原爆が落ちた直後、飲み水を求めながら死んでいった人たちの魂を鎮めるために作られた噴水らしい。
夕暮れも近い。ってことで稲佐山へ向かう。確かロープウェイで一気に駆け上がれるはずだが、案内看板通りに行ってもロープウェイの駅らしきものが見あたらない。どこだ? ・・・と思ったら、意外にも駅は神社の境内にあった。
少しづつ明かりが灯り始めた夕暮れの街を眺めていると、5分少々で山頂に到着。頃合いよく1000万$の夜景が現れてきた。潮風がもろに通り抜けていてちと寒いが、たまんないねー1000万$。この手の夜景は夕暮れ時から見るのが一番。すっかり日が落ち、明かりが灯りきった頃には街にかかっていたガスもすっかり取れていた。
そろそろということで宿へ戻ろうとしたところ、長崎駅前にやたらと派手な電飾の電車が走っている。中には客が乗っている気配なし。どうやら今日まで開かれている「ランタンフェスティバル」のPRのためだけに走っている車両っぽい。会場は新地中華街近くの港公園・・・って宿から歩いてすぐの所やン。ちゃんぽんと皿うどん+角煮を補給して会場へ行くと、丁度最後の出し物「中国獅子舞」が始まるところだった。
この時期は丁度「春節」にあたり、中華街はひときわ派手なイベントが行われている。ランタンフェスティバルはその1つだった。ランタンって何じゃらほいと思っていたが、中国風のねぶたといったところか。四神をはじめとするめでたい動物や、歴史上でおなじみの人物が主だったが、中にはちょいと変わったものもあったりする。中でも最も驚いたものはというと、湯飲みや皿、レンゲ等で作られたランタンであった。しかも近くで見ると、食器の隙間だけでなく湯飲みの一部から透ける光が漏れている。どうやって作ったんだこんな食器。
一通りランタンを見終わると、いよいよ中国獅子舞の開演。まずは大小三匹の獅子が登場。日本の獅子というよりは虎に近いかな。口だけでなく、目も動くのだ。
小さい方はかわいらしくおどっていた(中に入っていたのも小学校低学年風のかわいらしい子供だった)が、大きい方は宙を舞ったり組み体操っぽいことをやったり豪快に舞っていた。
続いて三匹の大獅子登場。それまで登場していた大獅子に色違いの獅子が加わり、激しく舞う。組み体操っぽい演技に加え、肩車で立ち上がった。豪快な演技にあがる拍手も大きい。ステージの端で銅鑼と太鼓をならしていたんだが、最後の方では太鼓の上に飛び乗っていた。なにかおめでたい意味があるんだろうか?
そしてラスト。獅子は一頭になったが、変わりに綱渡り用のステージが現れた。柱の上を義経の八艘飛びっぽい感じで前後左右に飛び回るなど、ここまでくるともう曲芸に近い演技。途中びびってるそぶりを見せた理など、コミカルな演技も随所に織り交ぜている。
途中、綱の上を飛び回ろうとして1回こけて落っこちそうになったが、まあそれはご愛敬。無事綱の上を往復し、太鼓の上に飛び乗って終了・・・というのは昨日までの話で、今日はアンコールに応えて(?)連日ステージを賑わせた獅子たちが全員集合していた。そうそう、この近辺ではアンコールのときには「もってこ~い」コールをかけるらしい。
この獅子舞をはじめとし、期間中は竜踊りや中国雑伎なども連日行われていたとか。以前この時期の横浜中華街へ行ったときにもこの手のイベントが開かれていた。まだ行ったことはないが、神戸の中華街でも同様のイベントが開かれているにちげぇねえ。
かくしてど派手な長崎の夜はふけていったのである。(つづく)
Rec:2001-02-11/Mix:2000-02-25