盲点

12月19日・・・すべてはこの日から始まった。
スタッフルームに殴り込みをかけてそのままC-STAFFに加わった翌日のことである。
道端で星さんにばったり会い、そのときに1~2ページで何か書いてみないかと言う話を持ちかけられた。何を書こうかな・・・と頭をひねっているうちに生まれたのが、この一連の「乱筆御免」シリーズなのだ。
スタート当初は、当時連載されていた「流星白書」という作品の影響を色濃く受けたものが多かったが、いつのまにやら「恋愛ネタ」が多くなっているではないか。(一部の例外を除く)このテの話は、今までこういったところにはあまり出てこなかったせいか、読者の皆さんからの「恋愛ネタ」に対する期待の声もいくらか聞かれる。色恋沙汰なんて柄にもないんだけどねぃ(笑)。でも書いているとなぜかハマってしまふ。これは意外だった。


それどころかいまここで、こんなことを書いていることが今でも不思議に思えるくらい。C-STAFFへ加入早々「まほろば」の編集長になったことも然り。
さて、『恋は盲目』などとよく言うが、恋をするとまわりのことがあまりよく見えなくなってしまうのだろうか? 例えば飲み会。中にいる人たちの誰かがイチャつきはじめると、いつのまにかまわりには誰もいなくなっていた・・・という類の出来事、飲み会を何度か経験している人たちはとうの昔に御存知かとお見受けする。過度のスキンシップは鬼も悪魔も音をあげる。間近であ~んなことされると、やっぱいづらくなるもんね。
べつに酒の席でなくてもこのことは言えてると思う。つき合い始めたころは相手の方に目がいってしまいがちになり、まわりのこと、仕事などが目に入らなくなる。まわりの不快感など何処吹く風。そして「やってらんねー」へ。よくある話だ。「かまけていない」人ってある意味偉い。おいらも気をつけねば(いつそんな時がくるのだ? オイオイ)。
第一印象ってぇのはあまりあてにならない。人は見かけによらないとはいうけれど、まさにその通り。だからこそ新しい発見が恐ろしくもあり、おもしろくもあり。「堅い」と思っていた人が「万年新婚夫婦」になったりといった具合。『見えない部分』ってのは多いもんだ。
当人からは見えなかったり、見えていても全く気付かない、といった具合に盲点はそこいらへんにゴロゴロころがっているようだ。それらの盲点の「存在自体」もこれまた盲点になってしまう。そういった「盲点」について指摘してくれる人たちに対して、特殊な能力を持っているんやないやろか思たり、憧れたりうらやましく思ったりするのはなんでやねん?
大げさながら、そういった人のことを雲の上の存在のように感じたりすることもあるとかで、仮にその人のことが好きになったとしても、まず立候補は・・・出来ない。そしてお決まりのようにとんびがあぶらあげをさらっていく。
一方当の本人はというと、ふとしたことから別の人とデキてしまっていたりする。本人にとってはまさに意外。まさかと思ったらそれは盲点。上り坂にも下り坂にも変わってゆける、ある意味ものすごいヤツなのではなかろうか?(「まさか」という「第三の坂」があるというようなことをいっていた人がいたなぁ)
 よきにしろ悪しきにしろ、恋をすると人間って『ガラリ』と変わるようだし。やはりこの類の変化も意外なものが多かった。今まで見てきたものに限ればの話だが。けど、共通点らしきものもあるような気もする。
先頃、私の先輩にめでたく彼女ができた・・・のだが、はっきりいってこれは意外だった。ただの「どつきあい」かと思いきや、いつのまにか「おつきあい」になっていたのである。当人から話があるまで、そのことに気付いた人はいなかった。このテのは話にとても敏感な人たちでさえも、である。もちろん私もだ。さらに、後になって一部始終等いろいろな話を聞いてみれば、私達の目の前に「伏線」がたくさんはってあったというこのオチ。
結論。
恋は突然起こる事件である。
Rec:1997-11-25/Mix:1997-11-30