「乱筆御免(本編)」カテゴリーアーカイブ

悪代官

「水戸黄門」をはじめとして、時代劇ではよく、こんなシーンがある。
手下にさらわせた若い娘に悪代官がせまり、「お代官様、お戯れを。」などと返されると、「これこれ、逃げるでない」と言って娘の帯を解いて引っ張る。すると、「あ~れ~」なる声とともに娘がく~るくる回る、というものだ。時代劇の定番と言われているらしいのだが。
これがこともあろうか私の身近でちょっとしたブームになっていた時期があった。そのシーンを再現しようと目論む者達、約数名。一体、誰がこんなものを流行らせたのだ? と思いたくもなるのだが、いつの間にやらひきこまれていたりして。

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胃袋を預る者

暑かった夏のとある日のこと。一台の車が学校へすべりこむ。車の中にはお弁当。それを食べるのは教育実習生たち。
今夏、縁あって私は長野の実習生のお昼のお弁当作りとその配達を手伝わせてもらえることとなった。パートのお姉さんたちや、食堂の池田チーフと一緒に盛りつけをやっていたのだが、そんなときにふと実習中(のはず)の知り合いたちの顔が浮かんでくる。(まてよ、長野で実習してんのは誰とだれなんやろう?)
弁当にはよく、愛情がこもっているなどと言われる。手作りの弁当にはそれぞれに店で売っている弁当にはない「味なもの」があるのだが、それはお弁当にこめてある愛情が形を変えて現れたものなのだろうか? ホカホカでもなさそうなのに、何故か温かさを感じる。不思議だ。

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おタバコ

「男の人って何かヤなことがあると、決まってタバコが吸いたくなるよーで」
松本にいた頃に住んでいた寮の落書き帳に残されていた一言である。
小生は4月からとある冊子の編集長らしきことをやっているのだが、月に一度決まってカリカリ来る時期がある。月末の原稿の〆切から、印刷を済ませて製本業者に引き渡すまでの頃だ(その冊子は、原稿の執筆と印刷を自前でやって、製本だけ業者の方にお願いしている)。
順調にはかどっていると思いきや、大ボケかまして貴重な「紙」様を1000枚近くもパアにする「愛苦しい」やつとか、一度二つ返事で(連載記事の)執筆を引き受けときながら「全然手ェつけてないから今月は(連載を)休ませて」などと哭きを入れてくるやつなんかがいて、毎度毎度ドタバタである。胃にはこないが口に何かくわえていないと落ち着かない。

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原点-「乱筆御免」総集編-

ある冬の日のことである。
「よっ、フヂハタ」
「あ、星川さんこんにちは」
C-STAFFなる集団へ「なぐり込み(アポなし訪問)」を敢行し、その勢いでそのまま加入という出来事が起こったその翌日のことである。その集団が制作していた月刊誌「まほろば」の編集長の星川さんから、「1~2ページ用意するから、記事書いてみない?」という話を持ちかけられた。「酷語(国語)」と「音が苦(音楽)」が大っ嫌いな私ではあったが、原稿を書くことには(なぜか)興味があり、故に即OK。しかし、後のことは全く考えてなかった。無知が故の猪突猛進。知らないからこそできるのさ(なんちゃって)。

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FIREBALL

「う~らあ~めえ~し~やあ~」
幽霊とセットで出てくると言ってもいい、ひとだま。薄暗くいかにも気味悪そうな墓場なんかによく似合う。正体について一時期論争になったこともあったとかなかったとか。歌舞伎などではアルコールを染み込ませた綿の玉に火をつけて「ひとだま」を表現している。そのセットが花火売り場においてあったのには驚いた(私にとってうれしくもある)。そうやって作った「ひとだま」だが、実際に見たという人に見てもらうと、炎の燃え方がよく似ているそうだ。ちなみに実際に見たという人には、近所の墓場で土葬が行われていたという人が多い。察しのいい人はある程度見当がついたことでしょう。

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夏の日の午後

晴れた日の午後、窓を開けると涼しい風が吹き込んでくる。むせるほどすいこむのもいいし、ただ当たっているだけというのもいい。
風に当たると涼しいのは、「注射の前に腕にアルコールをぬるとひんやりする」のと原理は同じ。…なんだけど、なんだか心地いい。心まですずしいような気が…。
青海川へ重油回収ツアーに行く途中のこと、米山ICの近くにあった崖っぷちの休憩所で浴びた潮風がいい感じ。岩場に砕ける波と相まって「これぞ男だ」という雰囲気を醸し出している。体が少し軽くなったような気もする。

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元をたどれば -なんでFUJI-P”やねん!-

この間、とっても暇な友人が「どっかの大学にもFuji-Pがいた」と言う話をしていた。この世の中、自分に似た人が少なくとも3人はいるというのだが、全く同じ名前を使っている人がいようとは。「gooで探すと見つかる」という話だったので、さっそく「Fuji-P」などの言葉をキーワードに入れて検索してみたら、引っかかったよこれがまた。
さっそくおもしろ半分でのぞいてみたのだが・・・・・・その瞬間、我顔面蒼白。ページのトップに「と○メモ」とかいうゲームのキャラがどぉぉぉぉ~ん、と出ていた。わし、この類のもの好かんのよ。

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続・恋煩い

CDがなっているような気がして、目が覚めた。が、目覚ましとしてセットした覚えはない。事実、プレーヤーの中はカラッポだった。あれ? あの曲は岡村孝子の…。外は丁度明るくなりだした頃。時計の針は4時半位。こんなときに目が覚めるなんて…。しかもまだ3時間しか寝ていない。
 妙な夢を見たもんだ。いや、いつもに比べれば妙な部類には入るが、それ自体は特に「変な」とはいえなかった。なぜなのだ?
その夢ってのは「あの2人」が仲良く心地よさそうに寝ていた、というものだった。Mが聞いたらキレるの確実かもしれんけど、あくまで「夢」。でも、現実にありそうな気もなきにしもあらず。M、ゴメンナ。仲のよい2人がいて、すくないけど理解者がいて、冷ややかな目とねたみの類がそこにあって。

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恋煩い

春は曙。日が昇り、新しい命が芽生える。新しい出会いもそこにある。
花の名所に多いというソメイヨシノは、一気に、爆発的に花開く。あまりに強烈な咲き方をするせいか、花を付けている期間も、木それ自体の寿命も短いという。
「花の命は短くて…」である。
心ときめく時が短いのならば、その瞬間に全力でぶつかっていくべきなのかもしれない。しかし、全力でぶつかっていくそのとき、あとに残るのはオマヌケ話、笑い話の類だったりする…かもしれない。

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今日も眠れない

夜が明ける……。 結局今日も眠れなかった。
眠れないことって、ほんとに損だ。次の日、体の動きが少々ニブい。集中力もあんましなぁ….。
眠れないことって、ほんとに損だ。寝つきのよくない人、よく眠れない人は早死にしやすいという、ちょっと衝撃的な研究結果もある。「眠る」という本能に逆らったことへの当然の報いなのかもしれない。
人には、いや、脳には出来る限り休もうとする本能がある。お昼の、食後に訪れるあの眠気。これも脳の本能なのだ。

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