「CDMAういっす rev.A」カテゴリーアーカイブ

レイク受信

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「レイク受信」は、電波の反射などによって受信時に位相差・時間差がついた信号成分を別々に取り出し、位相・時間を揃えて合成する方法である。 cdmaOneでは3つまで取り出せるが、FOMAをはじめW-CDMAでは6つまでいけるという。では、どのようにするか?
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基地局と端末間の電波は一直線で届くとは限らない。建物や山などに反射して届くこともある。市街地・屋内では「マルチパス現象」が顕著で、直接届いたものの他、各所で反射した電波が同じ端末に届くことがある。飛んできた距離に差があるために時間差が生じており、どれを使うか困る事もある。

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電力制御

近距離からの信号が、遠距離からの弱い信号をかき消す事がある「遠近問題」。これを解決するには、送信電力制御で端末の信号を一番強い信号を発する端末の出力を必要最低限にまで絞るのが一番である。
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送信電力の制御は大まかに2通りある。一つは送信側と受信側が連携して電力を調節する「クローズドループ」。もう一つは送信側のみで操作する「オープンループ」。

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CDMAと遠近問題

「遠近問題」とは、複数の端末が1つの基地局と通信するときに起こる「距離のいたずら」である。
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電波も、光同様に遠くなる程弱くなる。何もない空間では距離の2乗に反比例して減衰するが、建物などの障害物がある空間では3~4乗以上に反比例して急激に減衰することもある。
このため、端末で同じ強さの電波を出しても、基地局に届くときには端末と基地局の位置によって電波の強さはまちまちになる。「基地局付近にいる端末」から届いた強力な電波が「基地局から離れた所にある端末」から出た弱い電波をかき消してしまいかねない。いくらCDMA/スペクトル拡散方式が他からの干渉を排除する能力に優れていても、限度がある。

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相関値

CDMA・スペクトル拡散を理解する上で重要な鍵となるのが相関値である。
相関値は「波形の類似性」をあらわす値である。数学チックな言い回しでは「2つの関数の波形の瞬時値の現れ方の類似性」となる。相関値を求めるには、「対象の2つの関数を掛け合わせ」てから「一定の区間について積分」することになる。
2つの関数 a(t), b(t)について相関係数(絶対値が1以内に収まるようにした相関値)を計算した場合、
・1ならば同一…a(t) = b(t) であり、

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QPSK

移動体を問わず、通信でのデジタル変調方式には
・振幅の有無でデータを表現するASK(Amplitude Shift Keying)
・周波数レベルで表現するFSK(Frequency Shift Keying)
・搬送波の位相の変化で表現するPSK(Phase Shift Keying)
などがあるが、その中でも好んで使われているものにQPSK(Quadrature PSK)がある。一見「スペクトル拡散」とは離れてしまうようにも見えるが、QPSKにはCDMAにつながる重要な鍵が隠されている。
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周波数ホッピング

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「CDMA」を実現させる「スペクトル拡散」の手順には大まかには2通りあり、登場した「直接拡散」と、「周波数ホッピング(FH:Frequency Hopping)」という方式がある。
直接拡散方式では、1次変調した信号にPN符号を直接掛け合わせてスペクトル拡散を行うが、周波数ホッピング方式では、1次変調した信号を、適当なタイミングで周波数変換をかけることによってスペクトル拡散を行う。

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拡散・逆拡散のしかけ

拡散・逆拡散に使う拡散符号は、通常デジタル変調波と同じく2つの値をとるが、その変化の周期はデジタル変調波のものよりも一定以上速く変化するようにしてある。
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最初の変調波の変化のスピードは「ビットレート」、PN符号のスピードは「チップレート」と呼んでいる。また、ビットレートとチップレートとの比を「拡散率」と呼んでいる。ちなみに、cdmaOneでは128倍(拡散符号がデジタル音声信号よりも128倍速く変化する)になっている。

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スペクトル拡散

CDMAのもとになっているのが「スペクトル拡散」という手法である。スペクトル拡散には
・直接拡散方式(DS方式)
・周波数ホッピング方式(FH方式)
の2つのやり方があるが、ここでは直接拡散方式を取り上げる。
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ふつう、携帯やPHSはもちろんのこと、TV/ラジオなどの無線を使った通信・放送では、音声などのデータを適当な形に変調してから送信する。受信側では、送信側で使っている変調方法に応じて、適当な方法で復調してもとの信号をとりだす(図の黒線のルート)。なお、ここでは詳細は省くが変調の方法は信号の強さを変えたり(これはAM)、周波数を変えたり(FM)等々、手法は様々ある。

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CDMA

CDMA = Code Division Multiple Access/符号分割多元接続
ケータイが普及してくると、TDMAでも加入者を捌ききれなくなってくる。加えて携帯電話は通話に加えてWebアクセス機能も持つようになり、データ通信での速度も要求されるようになってきた。そこで注目を浴びたのがCDMA。
この方法は、「スペクトル拡散」という方法を使って、1チャンネルの周波数帯の幅をTDMAやFDMAに比べて広くする代わりに、1つのチャンネルを今までとは比べものにならないくらいの数の人が使えるようしたものといえる。(ハーフレートPDC規格ではチャンネル幅は25kHzだが、cdmaOne/1x/WINでは1.25MHz、FOMAでは5MHz!)

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TDMA

TDMA = Time Division Multiple Access/時分割多元接続
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携帯電話が出始めた頃は、ユーザーの数はFDMA方式で十分対応できる位だったが、ユーザーが次第に増え始めるに従ってチャンネルが不足がみられるようになってきた。
そこで、それぞれの周波数チャンネルを一定時間ごとに「スロット」に分割し、複数のユーザーで1チャンネルの中の「スロット」を順番に使う方法が採られた。これがTDMAで、音声信号は各スロットに収まるように圧縮される一方、スロットを使う順番はごく短時間(ミリ秒単位)のうちに回ってくるうえに、かつスロットに分かれた中身を相手側でつなぎ合わせて元に戻すので、話がみじん切りになるようなことは起こりにくい。少し前まで国内・海外で使用されている携帯電話は、この方法が主流だった。

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