ここは国立と府中と立川の境目付近の多摩川堤防。この町に来て以来、ご近所のやたらと細長い公園の下に横たわるこの得体の知れない物体がおいでおいでしているような気がしたので、 今回、誘いに乗って自転車で出かけてみるとしよう。口笛吹きつつ…となればなおよし。
この付近には「緑川」という地下水路があり、その成り立ち故に過去にはビックリ、あららのら、なものも流れたと言う話。事前の調査によると…
- 現代でいうゲリラ豪雨
- 燃える水
- 生活排水
- 毒霧
などが流れたという記録があ…るわけなく、毒霧は引っかけ。それ以外はウソのようで本当のはなし。
矢川緑地の脇を通って緑川の暗渠を遡ってゆくと、途中から少し坂を登る。この一帯は多摩川の河岸段丘だったりする。
そのまま緑川はそのまま「みのわ通り」の下に入り、途中から西へ蛇行。その上はやたらと細長い公園が乗っかる形となる。
蛇行した緑川は、少し西にずれて「羽衣いちょう通り」に入ってまた北へ真っ直ぐ延びるようになる。
北上を再開しつつ西国立駅付近をゆくと、右に見えるビール工場、左には学校が。昔その一帯が暗渠だった頃にはなかった、商店街もある。
…
その羽衣中央通りも、中央線の線路が近づいた所で終了。また、やたらと細長い公園の両脇を、細い路地が挟み込む形となる。この一帯には、地上に取り残された橋が点在しており、傍目には滑稽。
これは30年程まで緑川が地上を流れていたころの名残。
調べて納得、うん、そうか。
この付近は、春は桜、夏はねぶた祭りが行われ、秋は秋で紅葉や祭りなどがあり、まだまだ面白そうなものが埋まっていそうだ。開拓のしがいがある。
…
羽中いちょう通りは途中で終わり、細い路地になる。
再び細長い公園となった緑川の上を北上し、中央線の高架を潜ると、緑川は西へ方向を変え、「東橋(あずまばし)」「曙橋」など緑川が地上にあった頃の足跡を通って立川の中心市街に突っ込んでゆく。
線路の北に出た「緑川」が、駐車場と「橋」の跡を交互に繰り返しつつ地図上に面白そうな線を描きつつやってきたのは立川駅北口付近。その名もずばり「緑川通り」という。
立川がオタクの聖地として目覚めたきっかけにも この川が一役買っており、緑川が地下化された際に 周辺整備の一環で生まれ変わった「伊勢丹」「髙島屋」などの大手デパートにに対抗すべく、 「フロム中武(ちゅうぶ)」や「第一デパート」などの地場百貨店がマニア垂涎のテナントを集めたことがきっかけとなっている。
その後第一デパートは再開発で解体されたものの、フロム中武は健在で、さらにはその付近にゆるキャラやアニメから鉄道、ミリタリーまでマニア垂涎のツボが多々集まる街になってしまったというお話。
…と書いてしまうとなんだか終点に来たっぽい流れになってしまうが、緑川の起点はもう少し先。