Flood mark

糸魚川で北陸自動車道を下りたのは正解だったようだ。
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糸魚川からは148号線の多数連なる洞門とトンネルの連続区間を抜けて順当な所要時間で道の駅小谷に到着。時節柄、道の駅は結構な繁盛ぶりだ。

かつて、この場所は川原だった時期がある。十数年前の豪雨により姫川流域で大規模な氾濫がおこり、あるところは上流からの土砂で埋まって天井川を形成し、またあるところは濁流で派手に削られた。海岸付近で翡翠がたまに出てくることになっている普段の姫川からはなかなか想像しにくい光景ではある。


この道の駅があったところも濁流で派手に削られた場所の一角であり、駐車場の端にいくと濁流で剔られて傾いた擁壁や、足下の土砂を流されて丸ごと傾いたコンクリート製スノーシェードを拝むことができる。
この付近では相応の安全対策を取った上での大人の社会科見学( http://yamaiga.com/ )も行われている。

大規模な災害の前に国道や大糸線の廃止も検討されたようだが、予算のいたずら等によりどちらも無事に復旧された。即ち、災害復旧工事で出た大量の土砂を「捨てた」場所に諸々の施設が出来上がったの図だ。
この場所における道の駅および現在の国道は、天井川を所々浚渫し、濁流に削られた川原に大量の土砂を「捨てる」ことで作られた土地に設けられた物だ。今日においては間違いなく仕分け切り捨てられるであろうスーパー堤防級の土地である。
同様に被災前の大糸線があった場所にも土砂が「捨てられ」、線路も敷き直されている。同様の手法は福井の豪雨災害の復旧でも採られたとかで、そう珍しいことではない様子。
規模の大小こそあれ、今度の震災の復旧がどのようにして進むかが見物だ。