Savarin

買出しついでにデパ地下へ立ち寄る。
その一角に、選りすぐりのスイーツを扱ったセレクトショップがあり、カウンターでドリンクをつけて一息つけるようになっていた。
一通りショーケースの中を見て、何を食べるかは即座に決まった。「お酒:たっぷり含まれています」の文言が全てである。
軽めのコーヒーをお供につけてオーダーをいれると、程なく注文した一品が運ばれてきた。店員曰く、かなりの酒の強さなのでお気をつけください、である。スイーツの世界ではありえない程の酒量なのだろうか。


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世間様ではスイーツの類にアルコールの風味を与えようとするなら、表面に塗るジャム等をラムやブランデーで煮詰めたり、あるいは生地に適量混ぜこんでから焼く程度だろう。しかしこのサヴァランはそんなに甘くない。しっとりした生地からはシロップが染み出すかと思いきや、ラム酒が染み出してくる。
酔えるという程の量ではないが、下戸には決してお勧めできないデザートだ。このような一品に出会い、嗜む機会が得られることは、非常にありがたいこと…かもしれない。