北斗の叫び~燃える原野(十勝 前編)

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朝食もそこそこに帯広に移動を開始した。池田駅前でゆっくりと回る大きなコルク抜きを目にした時点で、既に何かのスイッチが入っていたのかもしれない。手持ちのラジオから流れる車内FM放送の音楽で気を静める。釧路から帯広までは大した距離はない。エンジン音からして一山越えような気がするがトンネルらしきトンネルはない…ような気がする。
1時間少々で帯広に到着。早速とばかりに六花亭本店に向かう。苺チョコやバターサンドは比較的お目にかかれるが、賞味期限は3時間という話のサクサクパイはなかなかお目にかかれない。本当に賞味期限が3時間なのかは後日確かめるとして、できあがったばかりのところを早速頂く。


普通ならばそこで止めるが、今回は「悔いを残すな喰いまくれ」とばかりに蒸しまんじゅう(餡とチーズ)蕎麦と豚丼のセットと食べまくる。帯広に来たなら豚丼食っとけというのを至近距離から聞いたような気がするのだが、情報源を思い出せない。それは帰宅してからでも調べられるので、気にせずに食べる。網焼きの豚肉が乗った豚丼は豪快の一語に尽きる。そんじょそこらの牛丼擬きとは桁が違う。
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更にその足で、牛トロ丼と牛トロ寿司にも挑戦。これも北海道ならではの食材という話。早速食べてみたが、鮪のトロのイメージが強かったのか、不思議な食感がした。肉のようで肉でない、どちらかというとチーズに近い味がする。それもそのはず、牛肉と脂を適当な割合で混ぜ合わせた加工品という仕掛け。
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ついでに牛大トロ握りも食べてみたが、脂がきつい。私はやっぱり赤身党らしい。
と、昼までにかなりのハイペースで食べまくったので、予定していた地ビールは後回しにし、腹ごなしとばかりに帯広市内を少々遠回りして歩いて次のレンタカー事務所へ向かう。
途中のビルの入り口に妙なものを見つけた。曰く「大虎出没注意」
道内には言わずとしれた「熊出没注意」ブランドのお土産が多数あるが、大虎出没注意というのは初めて見た。帯広駅近くの、飲食店が比較的多い地区だけに、あながち的はずれでもなさそうだ…?
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一通りお腹も落ち着いたところでレンタカーを借り、まずは地ビールレストランへ向かう。エール系のビールはなかったが、ピルスナーが意外と美味で、実家へのお土産は即決。ちょっとだけ肩の荷が下りた…気になったが、それは後日で覆されることとなる。
移動手段は列車主体でと決めていたこの旅行にあって、わざわざレンタカーを選んだのは愛国、幸福駅跡の公園へ向かうためだ。このエリアだけはこれといった交通機関がない。いや、昔はあったのだが。
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駅跡の公園への道はひたすら直線が続く。MP3プレイヤーのFMトランスミッターからお気に入りの曲を飛ばしつつ談笑とも漫才ともつかない会話をしているので眠くなることはない。が、いかんせん滑走路並みの直線が続く道は飛ばし甲斐があるだけに防衛運転を徹底。安全運転などもう古い。ダッシュボードに水の入ったコップを置き、こぼさないように運転できるようになると上出来だが、まだそこまでには至っていない…とはいってもこの時点で既に地ビール摂取済みなのでハンドルは取っていないのだが。
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帯広市街地を抜けて程なく愛国駅に到着。駅の中は名刺に使用済み定期券に、結婚報告はがきに…所狭しと貼り付けられている。元々は忠君愛国から取って付けられた名前だったが、いつのまにやら結婚話の方へ意味が移るのは時代の流れなのだろうか。
記念の入場券などは、近くの土産屋に売られているらしいのだが、駅舎の隣には石造りの大型の切符もあったりする。
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さらには入場券1000万枚発売記念で花壇まで作ってしまったというから大したものだ。
婚前なのか新婚旅行なのかはさておき、二人連れの車がいくらか止まっており、その人気は衰えるところを知らないようだ。
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愛国駅と幸福駅はセットで行っておかねばなるまい、ということで幸福駅の公園へと足を進めるが、幸福駅前はとんでもないことになっていた。広大な原野に突如として観光バスの一団が並び、売店らしき建物には人が群がっている。私の記憶が確かならば、愛国&幸福駅ブームがあったのは、結構昔の話、まだJRが発足する前だと記憶していのだが…?
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