北都の叫び~北海道横断大捜査網(札幌編)

富良野からの帰りに一気に疲れが出てしまった。気を取り直して札幌タワー展望台に登る。昼間、夜の眺めもそれなりにいいのだが、どうせなら両方いきたいものだ。タイミングを誤るな。
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まだ明るいうちに展望台を一回りして、周囲をチェック。真下を見ると、JR札幌駅の屋上が案内看板になっている。無論展望台の中にも案内板はあるのだが。
展望台の中を1週している間に札幌の夜はゆっくりと暮れてゆく。


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一通り日が落ちたところで一息。たまには軽く飲むか、と思い立ちジントニックをオーダーして眺めの良さそうな席に陣取る…が、出てきたのはかなり薄いジントニックっぽい飲み物だった。それなりの香りはするのだが、アルコールの感触が無く拍子抜け。今夜は早めに宿に戻った方がよさそうだ…

一晩明け、定番スポットは一通り回っておかねばとばかりにぼちぼち通勤が一段落しそうな札幌駅の地下街を抜けて市内散策に出る。初日からの雨雲から一転して抜けるような青空。
まずは旧道庁を目指す。赤煉瓦の名をもつこの建物には朝早い時間帯にもかかわらず、団体客をはじめとする観光客と、付近の庭園の手入れを行っている業者でけっこう賑わっている…今日は休日だったか平日だったか…一瞬こんがらがってきたが、その日は間違いなく平日。
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旧道庁に続いて、時計台へ寄る。付近の交差点角にはお立ち台が用意されており、カメラを構えてみると丁度記念撮影に構図を取ることができる…ようになっているのだが、人通りが多く、撮影難航。一目で時計台とわかる写真が撮れる位置を探して付近を回るが、どうもしっくりこない。
歩行者、自転車、他の観光客、照準、信号、諸々に注意を払いつつ、タイミングを誤るな、でどうにか証拠写真を納める。ケータイに慣れてしまったせいか、デジカメの扱いにも一苦労。
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テレビ塔にも登る。いや半分登らねばという意識があったのかどうかは定かではない。これまで観光に出かけた場所では決まって高いところに登っていたのは確かだ。タワーに登るとソフトクリームの割引がついていたから、というのは内緒。
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このテレビ塔には、数年前より「テレビ父さん」という癒し系もしくは脱力系の主が棲みついていることになっているらしく、記念グッズが取り揃えられていたのだが、何故かそのなかに褌があった。いや「クラシックパンツ」と言うべきか。
腹ごなしとばかりに大通公園を一通り歩く。観光シーズン本番間近とばかりに通り沿いに一定の間隔で焼きトウモロコシとアイスクリームの売店が並んでいた。通りの中心には夏祭りの準備らしく、遊雪館と称した施設を作っていた。プレハブ小屋の中に雪のトンネルを造るという。
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祭りといえば酒…なのか、各大手ビールメーカーは競うように基地を作り、戦いに備えている。写真はサッポロビールの基地。他のメーカーも黙っちゃいない。当然とばかりに同規模の基地が隣あって設けられている。穏やかな日の下で、着々と準備は進む。
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が、約30分も歩いて大通りの端にくると、再び穏やかな公園の姿に戻っていた。テレビ塔が小さくみえる。結構な距離を歩いたことにはなるだろうか。
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一通り歩いたところでぼちぼち時間。路面電車で中心部に戻り、昼過ぎの釧路への移動に備える。が、もう1つやっておかねばならないことが。数日後に再び札幌市内に戻る予定はあるが、余裕のあるうちにお土産の下見。狸小路、札幌駅付近の数カ所をあたり、トドカレーにエゾシカカレー等々、数点目星をつけた…つもりでいたが、この時点ではまだ重大な見落としがあったことに気付いていなかった。
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お土産の下見を終えて通りへ戻ると、観光馬車が休憩中。隣で演説とも遠吠えともつかない大音響が響いていたが、黙々と昼食を食べる。こちらもジンギスカン弁当で腹ごしらえといきましょう。
このあとは「スーパーおおぞら」にゆられること約4時間、始発札幌から終点釧路までの大移動になる。
新千歳空港から列車は大きく進路を東へ取り、緑の大地へ向かって突き進む。次の停車まで結構な時間があるかと思えば、次の停車しない駅まで約30分以上という途轍もない広大なエリアを突き進む。列車はエンジン全開。新型車両のはずなのだが、相当なスピードを出しているのかはたまた路面がよくないのか、時折軋む音が。しかし適度な揺れが乗客を眠りに誘い、気がついたところで辺りを見回すと殆どが寝ていた。私も睡魔にとりつかれたらしい。
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車窓の緑はなにげに淡い。信州の緑が深緑ならば、北の緑はどちらかというと黄緑に近い。割となだらかな緑の大地が広がるが、違和感はあまりない。
大移動の果てに釧路市街地が見えてきた。しかし北海道の旅は漸く折り返し点手前。