同期と拡散符号

CDMAには、ビット間同期のとりかたによって「同期型CDMA」「非同期型CDMA」「準同期型CDMA」に大きく分類される。
「同期型CDMA」は、データを送信する際にあらかじめ何らかの方法でビット間同期(送信タイミングの同期)をとる。このため使用する拡散符号の「位相のずれ」がなく、適切な直行符号系を使うことで相関値を0にすることが理論上可能である。ただし、完全な同期をとるのが難しいのが難点である。そこで、位相のずれに少々の許容範囲を設けたのが「準同期型CDMA」である。


一方「非同期型CDMA」は、同期をとる必要が全くないという利点があるが、ランダムに送信が行われるので、拡散符号の「位相のずれ」を考慮しなければならず、相関値は0に近づけることはできるがそれには限度があり、相関値は0にはならない。
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同期型、非同期型、準同期型CDMAには以上のような性質の違いがあるため、使用する拡散符号系も異なるものになっている。同期型CDMAによく使われるもとしては「Walsh符号系」、非同期型CDMAによく使われるものには「M系列」「Gold系列」などがある。
ここからは余談になるが、cdmaOneでは、GPSを使って同期をとっている。しかしcdmaOneでは、非同期型CDMAで使っている拡散符号が併用されており、常に同期をとらなても済むようになっており、実際に同期をとっているのは「ソフトハンドオーバー」など、複数の基地局との交信時のみとなっているとのこと。
一方、W-CDMAのソフトハンドオフの際には端末が複数の複数の基地局に指示を出して複数の基地局と端末の同期を取るようになっている。