永遠へのパスポート(長野・中編)

結婚式というのは立て続けにあるものらしく、今度は長野。三三九度の挙式に続く披露宴は、カーレースよろしく進行係の旗の合図で始まった…?
祝辞、スピーチ、祝電に続くはビデオレター。
[ビデオレター]
このビデオレター、前振りなしでいきなりスタート。嫁さんの勤める小学校のものなのだろうか、六回に分かれて子供たちが立ち上がり、一言づつお祝いの言葉。全校生徒の登場かもしれない。掃除、洗濯、料理しっかりやれよ…ドリフの全員集合のエンディングを想起させる。くすっと来てしまった。応援歌に続くラストはお約束とでも言うのか、子供がカメラに向かってダッシュ。


このビデオレター、嫁さんには内緒で企画されていたらしい。司会が種明かしをしたところで驚く嫁さん。旦那はしてやったり顔。憎い。興奮冷めやらぬ嫁さん、ビデオレターの後に司会がインタビューを取りにいったのだが、それを待ち構えていたかのようにマイクを取り、驚きをマイクにぶつける。旦那はしてやったり顔。
[お色直し]
宴も中盤、ここでお色直しのため新郎新婦一旦中座。…今度はは双方の妹さんに案内役が回ってきた。しかもアポ無しという。
ひょっとしたらこの披露宴、さきのビデオといい「どっきり」がキーワードなのだろうか。
兄妹姉妹仲良く退場。心臓に悪い、という声が聞こえたような気がしたが、氣のせいだろうか。
この間に、ちょっと外で息を抜いていると、ドアの向こうから別の披露宴会場からと思しき司会の声が響いてきた。この手の司会は多少オーバーな位の喋りが標準なのだろうか。
しばらくして、洋装の夫婦が登場。旦那がコートで嫁さんはクリスマスということもあってか赤のドレス。…よもや三倍凄いとか…というのは考えすぎだろうか。
[キャンドルリレー]
会場係の誘導に従って、ゆっくりと会場を回りつつ、各テーブルの代表にキャンドルの火を分けていく。キャンドルリレーだ。会場全体に火が回ったところで、最終ランナー…嫁さんの友人…から新郎新婦のトーチに火が回り、高砂席隣の巨大な蝋燭に点火。
ここでも隣で進行係の合図で照明とBGMが切り替わった。 ここでも点火した状態で暫く止めているものらしい。
会場はほんのりと灯る蝋燭の明かりに包まれていた…が、こういうのって最後に全員で蝋燭を吹き消すのではないだろうか?
蝋燭の明かりは最後まで灯り続けていたという。
[ケーキのファーストバイト]
ドッキリはここでも口を開けていた。最初に入刀されたウエディングケーキがデザートと共に出てきたが、高砂席で異変…?
新郎新婦が互いにケーキを食べさせており、その模様をカメラに収めている方がいた…司会の案内がなかったところをみると、これもドッキリ企画かもしれない。
嫁さんからのケーキに続いて、旦那の口には高砂席正面の方々から大量のデザートが放り込まれた。有無を言わせず放り込まれた大量のフルーツに、噎せ返る旦那。溢してはいけません。もったいないオバケが出ます…って何年前のCMだろうか。公共広告機構だったはずだ。
嫁さんに背中をさすられながらも、どうにか完食した旦那。OKサインが出る。ここでも旦那の顔は硬かった。高砂正面の席からは「硬いぞ」との突っ込みが入る。
…このケーキのファーストバイト、披露宴が始まったときからずっと会場を回って写真を撮り続けているカメラマンの発案とのこと。司会が気づいた頃には旦那は完食済みだった。
[手紙朗読]
ちょこっとすすり泣く声も聞こえた手紙の朗読。実は披露宴が始まったときから嫁さんの親族席では目に光る物が多数あったという。嫁さんの声も泣く一歩手前。読んでいるとこみ上げてくるものがあるのだろうか。
[花束贈呈~挨拶、お見送り]
手紙に続いて、花束贈呈。母親には花束。父親にはポケットにブートニア。
新郎父親、新郎と続いて挨拶。たまには嫁さんをおんぶ…ってできるのかどうかはパッと見では定かでない。ここでも小さな笑い。なにげに新郎新婦は手を繋いでいる。
以上で披露宴は無事お開き。最初の時と同様、新郎新婦親御さんのお見送り+記念撮影。
…そういえばこの披露宴、余興やカラオケが全くない。それでも結構な盛り上がりを見せていた。余興の類が無いだけに小学校からのビデオが一段といい味を出していた。割と斬新な構成かもしれない。
(つづく)