CDMA

CDMA = Code Division Multiple Access/符号分割多元接続
ケータイが普及してくると、TDMAでも加入者を捌ききれなくなってくる。加えて携帯電話は通話に加えてWebアクセス機能も持つようになり、データ通信での速度も要求されるようになってきた。そこで注目を浴びたのがCDMA。
この方法は、「スペクトル拡散」という方法を使って、1チャンネルの周波数帯の幅をTDMAやFDMAに比べて広くする代わりに、1つのチャンネルを今までとは比べものにならないくらいの数の人が使えるようしたものといえる。(ハーフレートPDC規格ではチャンネル幅は25kHzだが、cdmaOne/1x/WINでは1.25MHz、FOMAでは5MHz!)


余談だが、2003年秋に登場した1x WINでは、CDMAとは銘打っているが、実際はCDMAとTDMAの併用で、ユーザーの分離にTDMAを使い、ユーザー毎のデータ速度の調節でCDMAと似た操作を行う。
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通常は複数の人が同じ周波数の電波で信号を送ると混信してしまうが、CDMAでは1度変換した信号を、電波に乗せる前に「拡散符号」を使ってさらに変換し、同じ周波数帯に乗せている。都合2回変調を行うこととなるが、便宜上、1回目の変調を「情報変調(通常の変調)」、2回目の変調を「拡散」と呼ぶことにしている。
拡散は、1回変調した信号と、予め別に作っておいた「拡散符号」掛け合わせる操作になる。拡散変調を行う前後で信号のスペクトル…周波数帯ごとの信号の成分の分布図で、信号の指紋のようなもの…をとると、信号の帯域幅が「薄く広い」かたちになる。
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受け手ではこの逆(拡散符号を使って元の信号を取り出して、そこから音声を復調する)を行うが、変調と復調に使った「拡散符号」の種類が同じでない限り元の信号は取り出せないようになっている。信号に「鍵」を一緒につけて送るようなもの…といえるだろう。