Snow

ほろ酔い加減の夜。ベランダで、いつも通り洗濯機を回していると、向かいのビルのクリスマスツリーが目に留まった。電飾が明滅を繰り返す中に、やけにゆっくりとしたものが1つ。大きさは他と変わらない。
よく見ると、煙草の明かりだった。
それを差し引いても、未だ12月に、クリスマス間近になった実感が全くしない。決定的に、絶望的なまでに、何かが違う。
それは何だろう。

雪が降っていない。