FujiP! vs 黴

思わぬ所に奴は潜んでいた。
これまでのダウンサイジングの甲斐あって本棚を1つ廃止できるところまで漕ぎ着け、解体すべく部屋の真ん中まで引きずり出す。
裏を見て顔面真っ青。本棚の裏が黴で所々青々としている。何故か2段めの部分だけ。
江戸にいたときは風通しや湿気を云々せずとも黴とは無縁だったのに何故…。
これはまずいということで咄嗟に台所から除菌・消毒用アルコールスプレーを取り出し斉射。
雑巾にもアルコールを含ませて拭き取る拭き取る。


ひょっとするとということで、隣にあった3段ボックスも中身を空にした上で引きずり出し裏面を確認。裏面は大丈夫だったが、真ん中の段の側面の一部だけ黴びていた。今回廃止予定の本棚に隣接している代物だが、こちらの方が部屋の隅に近く風通しも良くない位置にある。黴びているならこちらかと思いきや何故に。
念のためこちらもアルコール斉射の後軽く拭く。
以上で終われば普通のお掃除だが、相手は黴。しかもまだ梅雨の序盤。放置するわけにはいかつんつん。ということで主婦の知恵袋を拝借。
なになに、ふむふむ
一、部屋に加湿器はないか
炊飯器が部屋にあった。これは加湿器に相当するかも。
一、洗濯物を室内で干していないか
雨の日なんかそうだなぁ。晴れた日は外で干していたけど。
一、風呂場の換気はしているか
こちらは問題なし。つーか風呂場の換気扇は四六時中廻りっぱなし。
一、一日中窓を閉め切っていないか
むしろ開きっぱなしである。私が居るとき限定で。
一、お湯を沸かす時、換気扇を回しているか
とりあえず回してはいる
一、(以下略)
…え゛~い七面倒臭ぇ。一斉点検。
とはいってはみたものの勝手知ったる狭い箱。点検対象は自ずと限定されており、風呂場は換気扇回しっぱなしなのでカラカラスッキリ黴もなし。台所もカルシウム分にまみれたキッチンシンクの中を除きピカピカ(決して未使用ではない)。押入は吸湿シートが効いており黴はなかった。いや、最下段に安置していた鞄が1つだけ黴びていた。何故に…。アルコール雑巾で拭き取る拭き取る。
対処療法ではいかんいかん。こういうのは元から絶たねばということで買い出しに赴く。
湿気取りと除菌消毒用アルコールとエアコン清掃用スプレーを買おうとしたら財布に現金が無くてカードを切ったというのは余談。
箱へ戻り、作業再開。
まずはエアコンの蓋を開き、フィルターを外して掃除用スプレー斉射。昨年の秋に掃除をして以来そのままだったのだが、汚れらしき物は出てこなかった。やれやれ。
半時ほど乾燥させてからエアコン起動。本来なら夏まで動かす予定は無かったのだが、除湿モードでフル回転。
同時進行で湿気取りを押入中段と下段に配備。私の記憶が確かならば湿気は下方へ溜まる習性があった筈。
とどめとばかりに扇風機も移動。今まで自分に微風が当たるようにしていたのを、本棚とその隙間へ少々強めの風が当たるように再配置。壁に沿って室内の空気が一周できるようにするというカラクリ。
暫くしてエアコン室外機の配水管を覗いてみると、水が出る出る。眼を疑う量だったのは確か。
しかし人間自体が加湿器なもんだから驚くほどの事も無いか。
最後に、アルコールが程々に乾いた頃合いを見計らって三段ボックスを解体。当面の間、黴が取り憑いていた部品は直射日光照射の刑に処す。残りは押入の中でも特に湿気の少ない最上段へ移動。
…とまでやってみたが、果たして効果はどれほどのものになるやら。適当な頃合いを見て検証してみなければなるめぇ。
たかが本棚1つの解体でここまでの大事になってしまうとは。とほほ~。
これは辞書に一筆追加しておかねば。
無い物は壊れない 無い物は無くならない 無い物は散らからない
そこへ
無い物は黴びない、と。