長崎ぷらぷら節(3)~市内でぷらぷら~

一夜明け、市内はどピーカン。前日に引き続き、路面電車1日乗車券を買って市内をぷらぷら。前日は原爆に関連した施設の多かった北の方を中心に回ったが、今日は出島やグラバー園など、歴史的な建物が集まっている南の方を中心に回る。
まずはその昔、外人居留地のあったグラバー園一帯へ。入ってすぐエスカレーターと動く歩道を乗り継いで(団体客の事を考えた結果かもしれんが、これにはちょっと興ざめ)いっきに園内の最上段へ。園自体が高台にあるせいか、ほとんどのポイントからよい眺めを得ることができる。程良く晴れ、程良く風が吹き、さわやかですな。


園内には、幕末から明治の初期にかけて建てられた建物が多数残っており、この近辺に移築されたものも多数あるらしい。もちろん原爆をもくぐりぬけている。建物自体も貴重だが、中の調度品も貴重なものが多数。食器類のみならず、その他のものを見ていると、目が皿になってしまう。が、ただの洋館ではない仕掛けも所々にあり、例えば幕末の志士をかくまうための隠し部屋が設けてあったりする。
建物や調度品にそこからの眺めなど、目を奪うものが多数あったが、足下の石畳の中にもちょっとしたしかけがしてあったりする。話によると、園内にはハート形の石が3つ隠されていて、そいつにさわるとそれなりにいいことがあるらしい(場所はないしょ)。
早速連れ共々鵜の目鷹の目で石を探索。園内のポスターなどを手がかりに、3つの内2つまでは石畳の中に見つけることができた。・・・が、残りの1つがなかなか見つからない。石垣の中に埋め込まれているのでは?・・・とも思ったが、そこにもなかった。噴水の中も同様。結局最後の1つはわからずじまい。いったいどこにあるんだろう?まさか、建物の中に飾ってあったり、屋根瓦の中に隠してあったりなんてオチはないよなァ?
首をひねりながらオランダ坂(注)を通り、出島へ。数年ほど前から出島では復元工事が行われており、既に蔵などの一部建物が復元されていた。出島近辺は明治から現在にかけて埋め立てられ、「出島町」という地名だけが残っている。が、近辺の道路には昔の出島の輪郭に沿って舗装の色が変えてあり、島の角に当たる場所には一部指標が立っているため、おおまかな輪郭をつかむことができる。実際それにそって歩いてみると、意外とこぢんまりしている。
注:オランダ坂
オランダ坂っつーのは1本だけではないらしく、山手近辺の旧外国人居留地に通じる坂道をオランダ坂と呼んでいるとのこと。
この出島近辺では大がかりな復元工事が計画されていて、現在その一部が始動している。すでに対岸では建物の移転も始まっていて、ゆくゆくは道路や路面電車の軌道をつけかえ、回りの建物も移転させ、埋められた部分を掘り返した上に川もつけかえ、明治時代の河川改修で削られた部分をも復元し、江戸時代の姿に戻すらしい。
あとで復元工事の予定図面を見たのだが、50~100年くらいはかかりそうなか~なり大がかりな工事になるらしい。こいつぁ壮大なロマンですなぁ。しかし私が生きている間にその姿を拝むことはできるかな?
出島から中華街からは文字通り目と鼻の先。宿からも目と鼻の先だったので、中華街でお昼に。懲りずにチャンポンと皿うどん。両者とも、店毎にスープや具に味があるが、どちらもさっぱりとしているンですわ。もっと油ッけがあるものかと思っていた。パリパリ麺の皿うどんが好きだが、あったまるスープのちゃんぽんもいいっすねえ。
中華街の料理にはまってしまった一行は、このあと長崎市内を後にするまでに様々なものを買い込んだり食べたりしていくことになる。この日食べたのはチャンポン&皿うどんの他に、
・ごま団子
・ライチゼリー
・肉まん
・チャーシューまん
・中華風蒸しカステラの馬拉粒(マーラカオ)
・かりんとうっぽい麻花兒(マファール)
・そして豚角煮饅頭
特に豚角煮饅頭にはかなりハマってしまい、この旅でいくつ食べたかわからない。ちなみに角煮饅頭は長崎のオリジナルらしいぞ。
つづいてシーボルト記念館へ。いかにも静かに勉強できそうなところに立っているこの館では日本を海外へ「正しく」紹介したシーボルトの功績やその遺品などを紹介している。シーボルトについては以前に
通訳にオランダ語のひどい訛りを指摘され、オランダ人であることを疑われたが、とっさに「自分は山オランダ人だ」と返した
という話(本当かどうかは知らないが)を聞いたことがあるんだが、その元になりそうな話や事実が紹介されていて、なかなか勉強になった。すぐ近くには、シーボルトの旧宅跡があり、石垣などが残っていた。
ところで、シーボルト旧宅や鳴滝塾は完全に出島の外にあるんだが、当時は出島の外へ出るのはもちろん、住むことはできたんだろうか? それとも特別許可をもらったんだろうか? ちょっと謎が残りますなあ。
最後に、泣く子も黙る眼鏡橋(付近一帯の公園は洪水調節用の地下水道になっている)を拝み、長崎市街をあとにした。豚の角煮饅頭をつまみつつ(何個目じゃ)、次なる目的地ハウステンボスへ。(つづく)
Rec:2001-02-11/Mix:2000-02-25