Milky Blue Forever(Part 1)

大学祭本番の数日前。既に準備は始まっている。研究室の中では学科のコンパ2次会が行われていた。いつもなら毎年度の早い時期に「新入生歓迎コンパ」を開いているが、今年はどういうわけだか10月後半に開かれた。しかし腕試しには丁度いい機会。腕試しって何だ?
通例2次会では研究室にはいる前の学部2年生・3年生を呼んで(つうか、銘々が行きたいところへ行くんだが)、飲み会を催している。今までは鍋やら焼き肉やらを出していたんだが、今年は丁度いいやってことでカクテルの試作品を出していたりする。


試しにってことでいくらかカクテルを作って出したが、そこそこうまくいったらしい。カンペがあるし(^_^;;
そんな練習が本番1週間前あたりからあり、当日を迎える。昼過ぎからグラスや食器を用意し、いつもの会場「喫茶メモリー」に横付けする形で仮設厨房を設置。厨房の設置をする一方で、時間が来るのを待つ。
そこで今年初のトラブル発生。実行委員会からテントを2つ借りたのだが、そのうちの1つがうまく組あがらない。なんでじゃということで見てみると、受け取った部品のうち、骨組みの「屋根の部分」と「脚の部分」が全く別物になっていることが判明。しかし気合いと縄で組み上げる。斜めに通すつっかえ棒以外はなんとかなったらしい。しかしそれ以外は特に問題なし。今年は厨房のお仕事は後輩に任せて、楽しむぞ~っ。
「喫茶メモリー突入可能です」
16:20頃、その日の営業を終了し、片づけも済んだ喫茶内部に突入。今年は準備がそこそこしっかりしていたのか、あっさりと準備は終了。18:00の営業開始まで若干の余裕ができた。
一旦着替えで帰宅してから会場に戻り営業開始を迎える。・・・が、昨年に引き続き出足は低調。ということで早速おつまみの試作に入る。
今年は2つばかり新メニューを投入している。1つはクラッカーを使ったピザ。もう1つは特製ガーリックトースト。いずれもほんのちょっとした一言から生まれたメニューである。お手軽な上にうまかった♪
つづいてパスタ。茹で加減と味付けがちょっぴし難しい。厨房スタッフ全員で試作と試食を繰り返す。私の記憶が確かならば、この日の前半で作ったおつまみのほとんどは試作品だったはずだ。今年も営業部隊がかなり遠くまで客集めに走り回ったのだが、人はまばらだった・・・
日本シリーズの試合中ということもあり、今年「も」厨房には特設TVが設置され、試合を観戦していたのだが・・・なにやら様子が変だ。調べてみると・・・
ブレーカーが落ちた
どうやら当初の配線では特定の箇所に負荷がかかっちまうらしいということで、配線を組み直してブレーカーをもとにもどし、ついでに特設TVも撤去。暇になるかな~と思いきや幸いにも「程々に」お客が入ってきた。やれやれ。
お客も2時間ほどでいなくなったので、暇を見てパスタで「実験」をしたり(チーズと牛乳で作ったカルボナーラもどきはうまかったなぁ)、「酒遊び」をしていたりしていた。今年は小型のカンペを持参。カンペには店で出すカクテルのレシピが全部書いてあるんだな。それを見ながらボトルや缶では売っていないカクテルを中心に作ったり、作ってもらったりしていた。何杯飲んだかな? そういや、緑茶リキュールをウーロン茶で割ったやつ(照葉樹だったか?)はけっこううまかった。
そんな感じで夜を明かしていたんだが、緊急事態発生。客があまり来ないだろうってことで唐揚げやポテトをあんまり仕込んでいなかったらしいのだが、意外にも結構な数が出てしまい、足りなくなった。そこで急遽揚げようということになったのだが・・・・油が異常に少ない。
なぜだ? ということで夕方に仕込みをしていた人たちに油をどうしたかを尋ねると・・・
捨てちまった
・・・とさ。1回揚げただけなのに・・・。こせば使えるんだけどなぁ~。しゃあないので急遽空いている人を油の仕入れに走らせ、残った油に火を入れる。伊藤家の食卓で紹介していた技だったか、冷凍食品を短時間で揚げる技を使い20分少々でそこそこの数を揚げる。
揚げるついでに半透明なゴミ袋の中が見えたのだが、綿らしきものに含ませた油がにじみ出ている。外からでもすぐにわかる。まだまだ使えるまっさらな油の色。あらららら・・・。
今年も今年でドタバタ劇が起こっているその店の名は「Milky Blue」。(つづく)
Rec:2000-10-28/Mix:2000-11-03