編集長が走る(7) ~1997年10月:挑戦~

前回、人手が減りながらも売れ行きを盛り返すことができた。が、まだまだ安心はできんということでチャレンジは今回もつづく。
まず、読者からの投稿コーナーに載せきれなかったお便りを欄外記事としてのせてみたり、「ひとことカード(生協への意見・要望などを書いて出すと返事が返ってくる)」のなかから書いた人とそれを読んだ生協職員のやりとりが面白いものを中心に選んで「迷・珍カード」と称して公開するなど、あれこれ策を打ち出す。(「ひとことカード」のうち、まじめな意見などの書いてあるものはかなり昔から専用のコーナーを作って公開していた)


強化策はこれだけにとどまらない。定例の打ち合わせにてさらなる「お知らせの強化」をすべくホームページの情報を追加することを提案した。発行元の生協では1年以上前からホームページを開いていたものの、これまでにお知らせらしいお知らせがされていなかったためである。すんなり採用され、管理人が原稿書きを担当することと相成った。
・・・管理人は私だった。トホホ・・・・。
しかし前回投入したOCRのおかげで仕事はだいぶ楽になっていた。ホームページのお知らせは1ページ。全体の仕事の量はさほど変わらない。タイトルは私の提案した「ほぉむぺぇぢ(という名前のページ)」がすんなり通り、いつもどおり製作開始。そういや、この頃にはお知らせページの割合は全体の1/3にまで増えていた。
毎回毎回頭を悩ませているのが毎月の「目玉記事」である。これまでに
・酒とつまみ
・食生活
・教育実習の体験記
などを扱ってきたが、今回はどうしようかということになったが今月に限ってネタがなかなか見つからない。
・・・とそこへ若手からアイデアが出た。
連載コーナーの中にクイズコーナーがあるのだが、そこで出す問題を一ひねりしてみようというものである。これまでこのコーナーでは、イラストロジック(リクエストが出るほどの人気だったらしい)やパズルなどを出していたが、今回は「問題文そのものをページのいたるところにばらまいておく」という形の問題である。あれこれ考えてもしょうがないので試しにやってみることに。
問題文は「ちいさいあきみつけたのうたいだしはなに?」という今までに比べればとても簡単なものではあるが、それを1文字づつバラバラにして各ページに隠しておいてある。字の大きさや字体を工夫して記事の文章とはっきりと区別がつくようにしてあるのだが、はたして読者の皆さんはうまく見つけることができるのだろうか? 結果がわかるのは発行から約1ヶ月あとのアンケート回収日である。
こういった小さな改良がメインだったので,いつも4~6ページを割き、表紙にタイトルを大きく載せるような「目玉記事」は今回はない。かわりに表紙のほうには新設したお知らせページのタイトルと、クイズコーナーがいつもと違う旨のひとことをのっけたのだが、これまで「目玉記事」が売れ行きを左右していると言われていた(らしい)だけにはたしてどうなるか・・・?
そして発行され、売れ行きの集計とアンケートの回収日が来る。気になる売れ行きは多くもなく、少なくもなく、いつもどおりでひとまずほっとした。しかし売れ行き以上に気になっていたのは出題形式を変えて「問題文をちりばめた」クイズコーナーへの反応である。
おそるおそるアンケートを見てみると・・・
クイズコーナーの正解者はいつもどおりだったが、間違えて問題文を答えに書いて送ってきた人がかなりいて、これには編集スタッフ一同でわらってしまった。期待通り。
ちなみに問題文は「ちいさいあきみつけたのうたいだしはなに?」で、正解は「だ~れかさんが だ~れかさんが だ~れかさんが み~つけた」である。
豆データファイル
冊子の名称:月刊まほろば11月号
冊子の総ページ数:42P
目玉記事:いつもと違うクイズコーナー
自分で担当したページ:11P
発行日:November,01/1997
発行部数:1000
Rec/Mix:2000-10-09