踊る阿呆vs雷様

この時期8月頭の信州っちうのは祭りが多い。しかもほとんど同じ日に行われる。代表的と言われているのは「長野びんずる」「松本ぼんぼん」の2つだが、このほかにも信州の主なところでは・・・・
・上田わっしょい
・小諸ドカンショ
・諏訪よいてこ
・飯田りんごん
・茅野どんばん
・飯山どんとこい
といったお祭りが開かれている。「どかんしょ」だとか「りんごん」等々様々な名前が付けられているが、不思議なことにほとんどが阿波踊り風の「連」っちう軍団を作って街を踊り歩くというスタイルである。始まったのがいずれも25~30年前というところもこれまた不思議。飛び入り参加も可能というところもこれまた一緒。


過去数年(信州に来てからもうそんだけたつのか・・・・)は長野びんずるを欠かさず見物していたが、今年はちょこっと足を延ばして松本ぼんぼんを見に行こうという話が持ち上がり、当日に至る。
ってことで、電車でごとごと山を越えて松本へ行こうとしたのだが・・・・・・途中の山中でいきなり大粒の雨。出発の時はどピーカンだったのだが、なんだかヤな感じ。というのも、ここ数日連続して雷と夕立があいついでおる。大挙して、かつピンポイントで雷様がやってくるため、研究室のコンピューターを雷に合わせて1日1回は止めないといけないくらいである。
もちろん停電も起こる。瞬間的ではあるものの、コンピューターを落とすのには十分な長さである。ってことでぢつはいまこれを打ち込んでいるノートパソコンもバッテリーをつなぎっぱなしにしている。雷鳴はどうって事ぁないのだが、稲妻と停電が怖い(^_^;;
さて、途中雨には降られたもののもひとつ山を越える頃にはすっかりあがっており、その雨も山の向こう、すなはち松本では降る気配もないしよかったよかった・・・・というのはぬか喜びもいいところだった。近くでコーヒー飲みながらしばらく話に花を咲かせていたが、外へ出ようとしたところなにやらいやなにおいがする。我輩の嗅覚はなんぼのものかはわからぬが、「雨の降る前のにおい」というものを感知する能力があるらしい。
案の定雨となった。ゴロピカドンのザザー。松本ぼんぼん開始2時間前の街に滝が降ってきた。主立った通り沿いの店ではぼちぼちビールを冷やしにかかろうかというところであったのだが、準備も一時中断。地元の人の話では、過去一度も当日に大雨が降ったことはないらしい。雨天順延ということもないらしい。をひをひをひ、わざわざ電車代払わせといてお祭り中止なんてオチはないで?
雨が降り止まないっちうことで外へ出られず、ぼへ~っとしておったのだが、開始直前になって小降りになってきた。松本市民が念力で雨と雷を退けたにちげえねぇ(?)。ともかく小降りの中、松本ぼんぼんは始まった。踊る阿呆に見る阿呆とよく言うが松本の狭い路地の中を踊る人と見る人がゼロ距離で接していれば、盛り上がらないわけがない(?)。加えて踊りの熱気と蒸し暑さで汗も派手に流れるため、雨に濡れているという感覚も次第になくなってくるというから不思議。
やっぱりというかお約束というか、踊り食い・踊り飲み(なんぢゃいそりゃぁ)により十二分にできあがった人たちがそろってくるに従い、ボルテージも上がる上がる。そういえば見ている最中に踊っている人たちから何回か握手を求められたなあ。踊っている連の人たちはそろいの格好をしている・・・・かと思えばそうでもない。ほとんどの連に飛び入り参加している人たちがいるではないか。沿道の観客の中にもいっしょに踊っている人たちがちらほら。街中踊る阿呆になってしまったのか?
このような具合に祭りは盛り上がり、夜9時半あたりまで延々と踊り狂った人たちのパワーのおかげかどうかは知らないが、終わりのほうまでくると雨はすっかりやんでおり、雷様のかの字も見あたらなくなっておった。めでたしめでたし。
そのあとも街の興奮は収まる気配がなさそげで、沿道の店では食料を買い求める人たち、踊りの打ち上げに向かう人たちなどで閉店前後まで盛り上がっていたらしい。かくして史上最多(毎年そういっているらしいけど)の参加者と観客を集めた松本ぼんぼんは来年へと続くのでありました。ちゃんちゃん。
Rec/Mix:2000-08-06