行方不明

日々刻々とファイルをネット上に送り出しているこのサーバーが、年越し期間中は止まることに決まった。というか、キャンパスごとシステムを落としてしまうらしい。本番を迎え、関係者の神経が張りつめてきている。そういう我輩も、週明けにシステム内部にたまっているデータの全面バックアップ作業をすることになり、関係者の労苦が他人事とは思えぬ今日この頃である。
しかしこの時期ってのはおおかたの人にとってはやっぱり忘年会シーズンらしく、研究室でも忘年会が先日催された。しゃぶしゃぶを平らげ、酒を浴び(隣の席からワインが降ってきた)、カラオケで魂のシャウトをして(?)忘年会は終わった。


この時期の仲間内の飲み会でかなり気を使うのが、参加者が無事帰宅できたかということである。軽く氷点下を越す空の下でおねんねしたら、そのまま永眠ということもなきにしもあらず、というのがその理由。雪が降らない割に長野の冬は厳しい。2次会3次会と移動する途中では、参加者全員がそろっているかとりあえず確認。
たいていの場合は何事もなくお開きになるのだが、不幸にして途中ではぐれたりせし者、約一名といったことが時たまあり、そのときなんぞは大騒ぎになる。実際昔いた寮でそんなことがあり、寮内で車を持っている人を総動員して、互いに連絡を取り合いながら、立ち寄りそうなところだとか帰り道に通りそうなルートなんぞを中心に捜索(もどき)した。
そのときは幸運にも近くの公園でおねんねしかけていたところを保護できたのだが、そのままおねんねしていれば、さしもの他の生物が絶滅しても生き残ると言われている大学の寮生とてただではすまない。あとで話を聞いてみると、路面も凍る寒さの中を、千鳥足ながら一人で歩いて帰ってきたという。
我輩のいた寮は野郎共のみだったので、そんなことはなかったのだが、行方不明者がおなごともなれば、騒ぎもただではないだろう。昨今のパワーの延びには目を見張るものがあるが、本能として「放っておけない」生き物である事には代わりはない。
探している間ってのはかなりぴりぴりきています。ぽつりぽつりという「とりあえずお説教」「はたいたろか」という一言ははざららしい。でも、そんな中に、奥に、裏に、探している人に対して思っていることがちょこっとでてくる。
本音というのは、それまでにあった様々な出来事の積み重ね。一つ一つはとるにたらない、単なる偶然かもしれないが、ちりも積もれば山となる。
ただ心配しているんじゃない。いろいろな事を重ねていくごとにそれが何らかの「想い」へ転化しているかもしれないし、特別なつながりを意識し出すこともなきにしもあらず・・・かな?
Rec/Mix:1999-12-23