うつろひゆくもの

今日は勝手にきめた大掃除の日。そのさなか、引っ越しからもう半年たっていたのだが、未だにほどいていない荷物があったことに気づく。大量のカセットテープ(ごていねいにトランクらしき形をしたケースに入っている)にCDの山。なんでこんなにたくさんあるのんなどと勝手に驚いてみたりする。
昔々のことぢゃった。今から数えればもう6~7年も昔になるだろうか?
高校へは専ら電車で通っておったのだが、その駅の近くに中古CDをおいている店があって、そこへよく出入りしていた。小遣いがたまったら、そこでせっせとCDを買いあさり、当時実家にあった70Wのアンプ付きカラオケセットを使ってCDを聞いたり、お気に入りの曲を集めてテープに編集しておった。1本だいたい74分か90分。そんなのが24本ある。


そうして作ったテープは、ある時は片道小1時間はかかる電車の中で、またあるときは自転車すっ飛ばして電車よりも速く走っているときに、またあるときはテンションあげて宿題をさっさと片づける時に聞いていた。大学へ上がってからも、いまの所に引っ越してくるまでは存外に長い移動時間の間に聞いていた。
いま思えば、テープ代やら、CD代やらで結構金のかかる趣味だった(小遣いもないのにどうやって資金つくったんじゃい、どうやって)。まあ、当時はバブルだったしねぇ。
そんなカセットテープの山の中に、1本だけな~んにも入っていないテープがある。大学1年かそこらへんの時に、「25本目」用にとっておいたものだったのだが、いつの間にやら情報誌の編集のしごとやら、寮の役員やらでてんてこ舞いになり、結局作らずじまいのままになっていたものである。
いや、ちょうどそのころからかホームページづくりを始めたからというのが正解かもしれぬ。中古CD屋から遠ざかったのも、だいたいこのころからか?。
とまあ、趣味一つとっても、こうまでがらりと変わるとはなどと、テープとCDの山を見ながら感慨に浸りつつ、驚く。
なぜ心はこんなに移ろいゆくの?
現在の状況がそのまんまこのまま続くとは限らない。いまこうしてこんなのを書いているのだが、それは大学の情報系学科の研究室という無料のプロバイダ(???)のおかげによるところが非常に大きい。
しかしこの状況は未来永劫続くわけがなく、卒業する頃、それ以後にはどうなっているかわからない。ひょっとしたら新しい楽しみを見つけて、それに没頭しているかもしれないし、趣味に興じる暇もないくらい働いているかもしれない。
一寸先は闇とはいうが、この先どんなことが待ちかまえているかわからない。・・・・と書くと世紀末だとか不景気といった時代背景故に不安をあおりかねないが、思いもよらないことになっていることは確かだろう。10年前、今のように携帯電話が普及している様を予想し得た人はいる?
身の回りに限らず、日々変わってゆく物はたくさんある。「女心と秋の空」と例えられる(男だろうが女だろうが、心を持つ限り変化して当たり前か?)ように、心もよく変化する。変化しないのは不思議、というか、維持管理をしっかしりておかないと意志を突き通すのは。
そうしなくても変化しない物があるとしたら、それは今後とも大切にしなければならないほど貴重な物か、よほどたちの悪い物かのどちらかだろう。
そういう貴重な物を、私は持ちたい。
けど、そんなのお金で買えるわけないから、どうやって手に入れましょう?
Rec/Mix:1999-11-15