黒姫(後編)

~3日目~
合宿も最終日。例によってラジオ体操と発声練習・・・といくはずだったが、なんとラジオが電池切れ。体操は中止に。しかし発声練習はきっちりやる。雨が降ろうと雪が降ろうと発声練習は欠かさずやっている。放課後には誰が言い出すともなく発声練習をしに部員が集まり、そして始まるのだ。
3日目は野尻湖ではじまる。現役時代はここで街頭インタビューの練習をやったが、今年はここで一休み。各自思い思いに羽を伸ばす。2年前来たときとほとんど変わっていない。そんな風景を見ながら野尻湖の周辺を散策していたが、途中で行き止まり。その先には発電所があったため、引き返すことになる。残念。(前に来たときは発電所の存在に気づいていなかったのだ!)


昼も近くなり、県境近くのそば打ち道場へ移動。本日のメイン、そば打ち体験レポートだ。そば粉を練り、のし棒でのばす。四角に、なおかつ均等にのばすのが結構難しい。さらに、これを包丁で切るのだが、何本か「極太そば」になってしまった。ここで打ったそばを昼食とする。太さによって、そばの味が違う。細く切れたそばについては、なかなかの味だった。
某所で妙な新聞の包みを発見。当時は「地下鉄サリン事件」で新聞包みが注目されていたこともあって、中身が何なのか聞いてみた。話でによるとその中身はそばで、「新聞そば」として例の事件が起こる前から売られている。その事件が元で「新聞そば」は有名になったこともあり製造元では喜んでいいのかどうか困惑しているとのことだ。くどいようだが、中身はふつうのそばだった。
これで全日程はおわった。後輩たちと別れ、寮へ(松本方面へ)帰る・・・のだが、またもや待ちぼうけを食らうこととなった。土砂崩れの影響で不通となっていた線路は前日になんとか復旧していたが、列車ダイヤは乱れに乱れていた。ところが反対方向(直江津方面)へ向かう本隊の乗った列車は、定刻通りに出発。ああ、Hell and Heaven。
帰りの車内ですやすや。寮に戻ったあと、そのままバタングウ。なかなかハードな3日間だった。あたりの様子は上信越自動車道の工事の音がした以外、変わったところは少なかったようだ。こうして、ちょっと懐かしい気もした黒姫での3日間はあっというまに過ぎていった。
あれからどれだけの月日がたったのだろうか。私は長野市内に居を移し、いまではこんなことをやっている。野尻湖へ立ち寄ることがたまにあるのだが、やっぱり変わっていない。上信越自動車道ができたくらいか。
現役時代に勉強した原稿の組み立て方は、いまでも私の中に息づいている
・・・はずだ。
Rec:1998-3-9/Mix:1998-3-18