おタバコ

「男の人って何かヤなことがあると、決まってタバコが吸いたくなるよーで」
松本にいた頃に住んでいた寮の落書き帳に残されていた一言である。
小生は4月からとある冊子の編集長らしきことをやっているのだが、月に一度決まってカリカリ来る時期がある。月末の原稿の〆切から、印刷を済ませて製本業者に引き渡すまでの頃だ(その冊子は、原稿の執筆と印刷を自前でやって、製本だけ業者の方にお願いしている)。
順調にはかどっていると思いきや、大ボケかまして貴重な「紙」様を1000枚近くもパアにする「愛苦しい」やつとか、一度二つ返事で(連載記事の)執筆を引き受けときながら「全然手ェつけてないから今月は(連載を)休ませて」などと哭きを入れてくるやつなんかがいて、毎度毎度ドタバタである。胃にはこないが口に何かくわえていないと落ち着かない。


こんな時にフラフラ~っとタバコへ手がのびそうになるが、ど~もあの煙は好きになれない。何度か試しにやってみたことがあるのだが、翌日の脱力感がたまらんたまらん。個人的には酒の方がう~~~~んと好きなこともあって、「パイポ」に手がのびる。
最近は「リラックス・パイポ」なんぞに手を伸ばし、リラックスしている・・・・・・気になる。
そんな小生だが、パイポをくわえている場面に出くわした友人知人は、皆一様に驚く。どうも小生はタバコに手を出しそうな風には見えないらしい。
そりゃワシかて同じや~っっ!(何で驚かれなあかんねん)
「まだ若い(幼い)ねぇ~」と思てたやつが、タバコを吸っているところを見ると、「ウソやろ?」と思うことがある。いつの間にか、吸い始めているのだ。
と同時に、何だか見かけが大人っぽくなったような気もする。まあ、最近は慣れてきたけど、それが女の人の場合だと、顕著に現れる。これって単なる思いこみ?
ところが酒の場合だとそのようなことはなぜかない。例外で日本酒を(熱燗で)飲んでいる人を見かけると、やけに年が進んで見える位だ。
タバコを吸うことは、大人になるための通過儀礼・・・・なのだろうか?
まあ、「大人」になるためにはそれなりの代償も払っているらしく、「かっこよさ」と引き替えに自らの肺の中をヤニやタールで黒光りさせることになるらしい。
加えてニコチンには依存性もあり、一言でいうと「やめられないとまらない」というふうになってしまうそーで。
日頃の食費を削ってでもタバコを買ってふかしているという強者もいる位なんだけど、タバコをふかしているとホッとするのかなぁ?
「男の人って何かヤなことがあると、決まってタバコが吸いたくなるよーで」っていうのも、当たらずとも遠からず、かな。
そーいえば、とあるお方がタバコに点火する前にタバコの先っちょに「ニコチンがビタミンに変わる」とかいう粉をつけていたんだけど、それって効き目あんのかなぁ? ホンマに。
Rec:1997-6-25/Mix:1998-6-22