原点-「乱筆御免」総集編-

ある冬の日のことである。
「よっ、フヂハタ」
「あ、星川さんこんにちは」
C-STAFFなる集団へ「なぐり込み(アポなし訪問)」を敢行し、その勢いでそのまま加入という出来事が起こったその翌日のことである。その集団が制作していた月刊誌「まほろば」の編集長の星川さんから、「1~2ページ用意するから、記事書いてみない?」という話を持ちかけられた。「酷語(国語)」と「音が苦(音楽)」が大っ嫌いな私ではあったが、原稿を書くことには(なぜか)興味があり、故に即OK。しかし、後のことは全く考えてなかった。無知が故の猪突猛進。知らないからこそできるのさ(なんちゃって)。


何を書こうかなァ・・・・・・・・
〆切までにはだいぶ間がある。ゆっくり考えることにした。
数日が過ぎた。その間に一連の顛末記のようなことを書くことを思い立ち、紙面のレイアウトは編集長の星川さんに任せることになり、おぼえたてのLATEXで清書した原稿を出したは出したのだが・・・・・・・・。
その時点ではまだタイトルが決まっていなかった。冊子の紙面にも、新聞やホームページ同様タイトルが必要なことをこのとき知る。
数分後、2つの事項が確定した。
1つは、そのコーナーを「乱筆御免」と命名すること。もう1つは「思いつくままに筆をとってこれからも書いてゆくこと」である。こうして「乱筆御免」は『始まった』のだが、ここまで続くとは全く思っても見なかった。飽きっぽい私にしてはよく続いている。
一連の「乱筆御免」シリーズは、もともとお遊び半分で書いたものであり、思ったことをなるべくストレートに表現するための訓練であった。当初は学校のLATEXを使って清書し、仲間内に「落書き」として公開していた程度である。
んでもって、当時の私の行動範囲はお世辞にも広いとはいえたものではなく、俗に言う「楽屋ネタ」が多い。がしかし、誤字・脱字を除いての修正を行う予定は全くない。目的が目的だったから。
まァ、そんな感じで5~6本ほど勢いで書き、「情報工学科にいるんだし、作れるとお得だよ」という、学科の先輩でもある向山さんのおススメと、道楽で始めたホームページの方にも随時移植していった。ちなみにその当時、私のホームページのアドレスは仲間内にしか教えてなかったし、見る人も仲間内限定だった。
そんなこんなで春が来た。乱筆御免「シリーズ」にも1つの転機が訪れる。
ひょんなことから、私が星さん(このころには「星川さん」から「星さん」になっていた)の後をうけて「まほろば」の編集長をすることになり、加えて「乱筆御免」が隔月で連載されることが正式に決まったのだ。
このころには「書く」ことにもいくらか慣れ、成否はべつにしてどうにか話に「おち」らしきものをつけることを修得したのだが・・・・・・・・、
何を書こうかなァ・・・・・・・・
こんどは〆切まであまり時間がない。ゆっくり考えているんでは発行時期がのびてしまう。
と、そんな頃にこんなことを耳にした。
ソメイヨシノの花は爆発的に開く。そのため花を付けている期間も、木の寿命も短い
そのとき、書くことの7~8割は頭の中に浮かんできただろうか。テーマは「片思い」。
こうして正式連載第1号「恋煩い」は誕生した。
余談だけど、現在ワタクシは片思いに悩んでいる(苦笑)。相手は誰なのか聞かないで(^^;)
乱筆御免が、私自身がそのとき脱皮したような気がする。
ま、1度脱皮したくらいでは間にあわんくらい、編集長の仕事は大変なんだけど。昨年度の星さんの苦労がちょっぴり味わえた。
いま、これと平行して何本か書いてんだけど、7月に発行するやつには「夏の日の午後」ってぇやつを載せようかと考えている。現在〆切の少し前。こいつは取りかかるのが一番遅かったのに、書いた中ではもっともいい出来だ。
・・・・・なんだけど、その「夏の日の午後」も、「恋煩い」同様『恋』が一つのキーワードになっている。恋なんて柄にもないんだけどねぃ(笑)。
とまあ、ここまで続いた乱筆御免。今後どのような方向に進んでゆくのか? 「思いつくままに書く」ことにしているだけに、その行方が我ながら楽しみである。
え? さっきの片思いの方はどうなのかってぇ?
・・・・・・・・・それは聞かないで。
Rec:1997-6-25/Mix:1998-6-2