バレンタインデー

「合コンがなんぼのもんじゃい。男ならビシッとスカせ。」
「クリスマスがなんぼのもんじゃい。日本男児はお正月。」
昨年復活したまほろばノートに「料理番長」なる方が書いた記事である。もし、その「料理番長」にあの日が訪れなければ、奴は今頃こんなことを書いていたかもしれない。
「バレンタインデーがなんぼのもんじゃい。日本男児は節分じゃい。」
あの日が……というのはその「料理番長」が「彼女から本命チョコをもらった……」ということではないのであしからず。


今やバレンタインデーにチョコレートを贈るのは半ばお約束と化している感がある。「本命」は何となくわかるにしても、「義理」というのは少々ふにおちない。近年更にエスカレート(?)した「義務チョコ」なるものが登場。「嫌々ながら」というのがとってもヤな感じ。
しかし、それ以上にヤな感じがすんのは「ホワイトデー」なるものとそれに関連した「2倍、3倍返し」。これにまつわる話は多々あるが、このテの話を聞く度に「日本人」であるはずの、「若者」に分類されるはずの私は「近頃の若いもんは…」とか、「鳴呼、日本人って….」などと口をすべらせてしまう(笑)。モテる男もつらいものよのう(またまた笑)。
バレンタインデーの始まりはキリスト教と関わりがあるという。私はじいちゃんの形見の数珠を持ち歩く仏教徒の端くれだが、教会へ通っているというクリスチャンの編集長の場合、その時期に何か特別な行事などはあるのだろうか。
とは言ってみたものの、この国では一部を除いてバレンタインデーの宗教色はか~なり薄れてきている。いや、ほとんどといっていいかもしれない。たしか、1年のときにとっていた法学で「政教分離に関して、『(旧)国鉄の駅にクリスマスツリーを飾ったり、バレンタインデー関連の行事を行なっても違反にはあたらない。』という判例もある。」というのを聞いたことがある。その理由というのが『既に宗教的な意味合いは薄れて、一般的な習慣になっている。』だったはづ。チョコレート云々の部分だけ抜き出せば、キリスト教のキの字も見えねぇーわな(笑)。
欧米ではバレンタインデーにメッセージを書き込んだカードや、花束を贈ることがよくあるそーだねぃ。日本と違うのは「義務チョコ」に相当するものはない、といったところか?(笑)。
「本当に贈りたい人」に贈られたものは得てして人の心をつかむもの。以前、誕生日にマグカップを贈られたことがあったが、それを使おうとする度に「使うのがもったいない」と感じ、結局5~6年たった現在でも使えないでいる。こんなふうに思わせるのが「心をつかむ」贈りもの……かもしれない。いや待てよ……….私の場合は単なる貧乏症か?
かくいう私は「心をつかむ」チョコレートに未だお目にかかったことがない。いや、仮にお目にかかれたとしてもその真意には十中八九気づかないだろうなぁ。なんせ日頃から「合コンがなんぼのもんじゃい。」などと書いているくらいだし(笑)。
Rec:1997-1-27 Mix:1997-4-5